「友近サスペンス劇場」も大反響 “現代の事象を昭和風映像で表現する”刑事ドラマが話題の背景
“実在しない名作ドラマ”を制作し届ける企画「架空名作劇場」内のドラマ「人情刑事 呉村安太郎」(テレビ東京系)が8月11、18日と2週にわたって放送された。
同ドラマの最大の特徴は、1980~90年代の映像表現と現代性とをマッシュアップした作風。髪形や服装、小道具、芝居の仕方、VHS時代を思わせるソフトフォーカス風の加工など過去作品にしか見えない映像だが、描かれているのは現代の社会問題という実にユニークな世界観だ。
主人公の呉村安太郎(アルコ&ピース・平子祐希)は、人情で事件を解決へと導くシングルファーザーの刑事。第1夜は団地の一室で夫の遺体を発見した妻とフードデリバリーの男との秘密にまつわる事件、第2夜は過去の闇バイトがカギとなる大学生刺殺事件を追う物語だった。
いずれも、おのおののキャラクター性を感じさせる目線、現場周辺を洗う(調査する)刑事たちの光景、人情を重んじるがゆえにカッとなって部下を叩く呉村、話を展開させるために吐き出される説明ゼリフの味わい、犯人が自白したタイミングで一斉に姿を現す部下たちなど、往年の刑事ドラマを思わせるシーンが次々と登場する。