著者のコラム一覧
鎮目博道テレビプロデューサー、コラムニスト、顔ハメ旅人

テレビプロデューサー、コラムニスト、顔ハメ旅人。テレビ朝日で社会部記者を経て、報道・情報系を中心に番組ディレクター、プロデューサーを務め、ABEMAの立ち上げに参画。2019年8月に独立。近著に『アクセス、登録が劇的に増える!「動画制作」プロの仕掛け52』(日本実業出版社)、『腐ったテレビに誰がした? 「中の人」による検証と考察』(光文社)、メディアリテラシーについての絵本『それウソかもよ? うちゅうじんがやってき た!のまき

高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

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 それに「高品質なコンテンツ」っていうなら、まずは「音」をなんとかしたほうがいいですよね。いまだに一部のジャンルを除くと、ほとんどの番組は、テレビ番組の撮影の時には、大部分はモノラルで収録しています。じつは、ステレオで音声を収録するのも結構大変だったりするんです。いくら画質だけ良くしたところで、音声はいまだにモノラル収録だったりするわけですからね。

 いまやスマホとか市販の小型カメラで撮影して、フツーのパソコンで編集して番組を作るのが結構当たり前の世の中になってるんです。スマホで撮ったものをスマホで見てる、っていう時代なんですよ。世間が求めてるのは、むしろスマホで撮ったものです。高画質カメラで撮影したものなんかじゃない。

 たぶんコンテンツはどんどん「高品質で有料のもの」と「低品質で無料のもの」に二極化していく方向性なんだと思います。高画質のものが見たかったら、映画館とか大画面がある場所に行くか、有料配信で購入するか、の時代でしょう。放送は「低品質だけど無料」の方向性に行くしかないと思います。フットワークをどんどん軽くして、気軽に見てもらえるようなものを制作していかないとダメな時代ですから、4Kやるなら放送以外でやってくれ、と思います。「放送いる? 配信でよくね?」という時代に、高画質放送とかまったく時代錯誤だと思いますけどね。

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