最新回の朝ドラ「あんぱん」ウラの見所~アンパンマンは粒あんか、こしあんか…“お遊び”が楽しかった特別編。蘭子の“その後”はモヤモヤだけど
特別編
【朝ドラのツボ!】
「あんぱん」が終了したと思ったら、早くも翌週の9月29日(月)~10月2日(木)の四夜連続で、スピンオフが放送されました。
人気キャラクターたちの知られざる物語を描くもので、前半がドラマパート、後半は出演者たちの座談会などでした。
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【特別編のツボ】
※※以下、ネタバレあります※※
第1回「健ちゃんのプロポーズ」では、健太郎(高橋文哉)のプロポーズ秘話が描かれ、第2回「メイコの初舞台」では、メイコ(原菜乃華)がミュージカルに出演することになった舞台裏を。
第3回「男たちの行進曲」では、スランプに陥ったいせたくや(大森元基)の悩み、そして、第4回「受け継ぐもの」では、中尾星子(古川琴音)の決意などが描かれました。
たしかに、健太郎とメイコに関しては、唐突にくっついて、気がつけば子どもも生まれていた、そんな印象があります。その娘たち2人も途中からまったく出てこなくなり、まるで神隠しにでもあったのかと心配しておりましたが、娘たちについての言及は今回もなし、でした。
そういえば、今回、メイコにプロポーズするということでおめかししていた健ちゃん。髪型も決まっていましたが、たしか本編ではこの時期、襟足がやけに長い独特な髪型だったように思うのですが、あの髪からどうしたって今回のようにはならないと思うのですが…。
アンパンマンは粒あんか、こしあんか
たくちゃんフィーチャー回もよかったです。
スランプに陥ったいせたくやを巡る物語には、ご本人に激似と話題になった永ちゃんこと六原永輔(藤堂日向)が再登場。嵩(北村匠海)が作詞した「ナマコの行進曲」を、3人で熱唱。たくちゃんのピアノを弾きながらの歌唱シーンは、Mrs. GREEN APPLEファンへのごほうびといったところでしょうか。
「こしあん」派の永ちゃんに「アンパンマンのあんはこしあんだよね?」と言われて、「粒あんです」と一歩も譲らない嵩。こだわり強めな2人に対して、戻ってきたたくちゃんが「どっちでもいい」と言ったのには拍子抜け。
その言い方と間が絶妙でした。ちなみに永さんが「こしあん」派なのは有名な話で、そんなふうにエピソードで遊ぶところも良きです。
クレジットには<作 山岡真介 脚本監修 中園ミホ>とありました。
おまけとして、それなりに楽しめた「特別編」でしたが、視聴者がいちばん見たかった、八木(妻夫木聡)と蘭子(河合優実)のエピソードが無かったのにはがっかりです。
あの赤い傘の下で何があったのか、ずっと謎のままだったので、スピンオフで明かされるとばかり思っていたのですが…。プロポーズ後のふたりについても言及がなく、モヤモヤは解消されずじまいとなりました。
なにはともあれ。皆様お疲れさまでした。ほいたらね。
(桧山珠美/TVコラムニスト)