(4)テストステロン補充療法で蘇った人たち…フレイル対策にも

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 実際にテストステロン補充療法を受けて「人生が変わった」と語る人は少なくありません。私の父(熊本悦明=泌尿器科医)が関わっていた、みらいメディカルクリニックグループでは、テストステロン補充療法のメソッドを高齢者のフレイル改善に活用しています。

 ここではグループ代表医師の松本昌和医師に聞いた臨床現場から、いくつかのケースを紹介しましょう。

 55歳の会社員・まさるさん(仮名)は、朝になると車のハンドルを握っただけで過換気を起こし、「もう仕事に行けない」と訴えて来院しました。検査の結果、テストステロン値は明らかに低下。注射を2回打ったところで症状が改善し、3~4回目には日常生活を取り戻しました。「ただの疲れ」ではなく、ホルモン不足が原因だったのです。

 肺がんの末期で在宅療養を選んだ患者さんもいます。筋力低下や貧血が進み、気持ちもふさぎがちだったところ、テストステロンの造血作用や気力を支える作用に期待して補充を開始。緩和ケアの一環として、「少しでも自分らしく過ごす時間」を支えています。

 さらに94歳のヨネさん(仮名)。コロナ禍で入院後、施設に移ったものの認知機能が急激に低下しました。息子さんの希望でテストステロン補充を試みたところ、少しずつ動く気力が戻り、体力の回復とともに認知面にも改善が見られました。もちろん全てをテストステロンの効果と断定はできませんが、「動こうとする気持ち」を引き出したのは確かです。

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