NHK大河「べらぼう」に最後まで東洲斎写楽が登場しないナゼ?
NHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」もあと数話、撮影も終了しているというのに、あの絵師がまだ登場していない。登場していないどころか、キャストも発表されていない。東洲斎写楽のことだ。
江戸中期の版元・蔦屋重三郎は、喜多川歌麿、葛飾北斎、曲亭馬琴、山東京伝、十返舎一九らあまたの才能を世に送り出したが、なかでも写楽は顔や表情をデフォルメした役者の浮世絵(大首絵)で秀逸だった。10カ月の間に約145点もの作品を残し、しかし顔も身分も明かさぬまま忽然と消えた。
いまだ正体不明の写楽をだれが演じるのか──「べらぼう」が始まったときから話題になっていた。第45話(11月23日放送)は「その名は写楽」で、いよいよ謎解明か。残念ながら、「べらぼう」に写楽は登場しない。どういうことか。
「NHKのガイド本を見ると、写楽は絵師ではなくプロジェクトの名前なんです。脚本の森下佳子は『私にとっての写楽の謎は、彼が誰なのかということよりも、その出し方です』と語っていたので、何か仕掛けがあるなとは思っていたのですが……。やられました」と、ドラマ制作会社のプロデューサーは笑う。


















