クドカン脚本「ゆとりですがなにか」が“ゆとり世代”のカウンターパンチに
まりぶは、嫁や娘と暮らしながら正和の妹・ゆとり(島崎遥香)に手を出したりするが、どこか憎めない。女性体験皆無の山路は、積極的な教育実習生・佐倉悦子(吉岡里帆)にドギマギしたり、性教育の授業に尻込みする始末。そして正和と茜は、勢いで結婚宣言はしたものの不安な日々だ。
正和たちは、いずれも29歳の「ゆとり第1世代」。そう、ゆとり世代には幅があるのだ。社会人歴も長い第1世代は、ゆとり世代のリーダー層。次の「第2世代」は、ゆとり教育の期間も長く、この世代の代表格ともいえる。その下の「脱ゆとり世代」は、学習指導要領の改定で学習量が増加した時代に育った連中だ。
たとえば太賀(現在は仲野太賀)が演じた、正和の後輩・山岸ひろむ。第2世代の彼は正和の説教をパワハラだと主張し、周囲から「ゆとりモンスター」などと揶揄される。やがて自分の中のパワハラ気質に気づき、今度は正和を「優しい先輩」として慕うようになった。
ドラマの中で山路が言うように、第1世代には「他人の足を引っ張らない」「周囲に惑わされずベストを尽くす」「個性を尊重する」といった長所がある。登場人物たちが抱える大混乱の状況に、クドカンはきっちりと決着をつけていった。見始めたらクセになる会話のテンポとキャラクターの魅力。そこに現出するのは唯一無二のクドカンワールドだ。
あれから10年。猛烈な“自分探し”で揺れる山岸を好演した仲野太賀は、ダジャレみたいに「大河俳優」となった。ドラマの中の正和たち第1世代は、今どんなアラフォーになっているだろう。



















