俵万智の短歌90首を朗読し、歌い、演じる女優・秋吉久美子さんに聞いた「戦争と平和」の思い
“体感”を通して伝えるべき
──どうしたら戦争はなくなるのか。
「想像力です。自分が戦場の最前線にいる姿を想像できれば戦争などできるはずがない。想像力の欠如こそが戦争を生むのだと思います。今公開中の映画『NAZA』はイスラエル軍がガザの標的1人を殺害するのに500人の民間人が巻き添えになるのを承認していたという兵士の証言を基にしたものですが、東京大空襲や原爆でも無数の民間人が犠牲にされましたよね。人を人と思わない戦争の論理には嫌悪しかありません」
──昨年、「無名兵士の戦場スケッチブック」という砂本三郎氏の本の出版に尽力しましたが。
「偶然見た砂本さんの絵に衝撃を受け、すぐに出版社に相談しました。この世の地獄ともいうべき戦場の様子を脳梗塞で不自由な手で描いたものです。私の初主演映画は空襲で死んだ少女の無念を描いた『十六歳の戦争』です。高校生の時、ベトナム戦争をテーマにした映画を毎週のように見ましたが、国も人間も簡単に間違った方に転んでしまうと思いました。そうならないように、表現者は理屈や頭で反戦を叫ぶのではなく、体感、つまり、心の芯を通して観客に伝えるべきだと思います」
(聞き手=山田勝仁)
▼「“ことば”の音楽会 俵万智・短歌の世界と戦争童話集」は第1部「俵万智・短歌の世界」、第2部「ウミガメと少年」。構成・演出=嶽本あゆ美、ピアノ・バイオリン楽曲=なおなお、バイオリン演奏=曽根マリ。


















