(80)月光を浴びて刀が閃く
〈多聞の歌〉
勝山城の夜、人気のない城の裏手を、弥太郎は刀を握り、歩いていた。このところ、城内での諍いが起きやすくなっている。
飢えて苛立っているからだ。
今日は、厩で死んだ馬を捌いて煮込み、何とか飢えを凌いだが、そろそろ兵糧も尽きかけている。辛うじて二月…
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