缶チューハイの宝HD 終わらぬアクティビストの圧力に神経戦つづく
焼酎やみりんの製造・販売大手の宝ホールディングス(HD)は10月23日、2カ月延期していた2026年4~6月期の決算を発表した。
今年8月に会計監査人から、米連結子会社のタカラバイオUSAで会計処理に関する疑義があるとの一報が入り、事実関係や業績への影響を確認する必要があることから調査を進めてきた。
このため、東証が上場規則で求める四半期決算後45日以内の開示期限を超えて、決算は延期されてきたが、このほど法律専門家や公認会計士を交えた調査が完了したことを受けて発表に踏み切った。
調査の結果、疑義は会計処理上の誤りで、意図的な不正会計は確認されなかったとした。業績への影響は軽微で、過去の決算の訂正も必要ないという。決算は、売上高は前年同期比10.6%増の1032億円、営業利益は同14.7%減の29億円、純利益は同12.4%減の36億円だった。
宝HDは、缶チューハイを世に送り出すなど焼酎で日本一のシェアを誇るが、バイオ事業もグループの柱のひとつ。会計処理に疑義が指摘されたタカラバイオUSAは、米カリフォルニア州サンノゼ市に本拠を置き、試薬や機器の研究開発などを手がける。
「遺伝子治療や細胞医療の研究用試薬・機器を提供しており、北米市場におけるバイオ事業の中核拠点として機能してきた」(市場関係者)という。2026年3月期の売上高は1億721万ドル(約170億円)に上る。
会計処理上の誤りで、決算発表にこぎ着けたことで一応、課題はクリアした格好だが、宝HDを悩ませているのは、会計処理を巡る疑義だけではない。アクティビスト(物言う株主)からの圧力がつづいているのだ。


















