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青島周一勤務薬剤師/「薬剤師のジャーナルクラブ」共同主宰

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

英で論文 映画館や美術館へ行く高齢者はうつ病リスク低い

公開日: 更新日:

 健康状態の改善には医療が重要だと思われることも多いですが、健康問題に医療そのものが寄与している割合は、私たちが想像しているよりも小さい可能性があります。

 米国のデータによれば、良質な医療が無償で提供されたとしても、早期死亡を減らすことができるのは10%にすぎず、医療がもたらす影響よりも、健康に関連した行動や社会的環境の方が大きいことが示されています。

 そんな中、高齢者の文化的な活動頻度とうつ病リスクの関連性を検討した論文が、2018年12月18日付で英国の精神医学誌に掲載されました。

 この研究では、うつ病を有していない高齢者2148人(平均年齢62.9歳)が対象となっています。被験者の博物館や劇場、映画館、美術館といった文化的施設の利用頻度と、うつ病リスクの関連性が10年にわたり調査されました。なお、結果に影響を与えうる年齢、性別、社会経済的状況、学歴などの因子で統計的に補正を行って解析しています。

 解析の結果、うつ病の発症リスクは文化的施設への利用頻度がまったくない人に比べて、月1回利用する人で32%、月に1回以上利用している人で48%、統計学的にも意味のある水準で低下しました。

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