著者のコラム一覧
青島周一勤務薬剤師/「薬剤師のジャーナルクラブ」共同主宰

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

約4割が信頼できない がん治療に関する情報サイトに要注意

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 インターネット上にはさまざまな医療・健康関連情報が存在しますが、必ずしも信頼性の高い情報ばかりではありません。特にがん治療に関する情報サイトにおいては、いわゆる民間療法など、科学的に有効性が検証されていない治療法に関する情報も数多く掲載されています。

 そんな中、がん治療に関するインターネット情報の質を評価した論文が、がん治療やケアの専門誌に2018年12月17日付で掲載されました。

 この研究では、GoogleとYahooを「がん治療」「がんケア」という2つのキーワードにより検索し、上位20件の情報サイトを評価対象としています。情報を評価したのは、がん専門医3人、医学生3人、がん生存者3人で、情報の質はレベルA(信頼できる情報)、レベルB(AとCに該当しない)、レベルC(信頼できない情報)の3段階で評価されました。

 最終的に247件の情報サイトが評価されました。医学生による評価では、レベルAに該当するサイトが12.1%、レベルBに該当するサイトが56.3%、レベルCに該当するサイトが31.6%。がん生存者の評価では、レベルAに該当するサイトが16.8%、レベルBに該当するサイトが44.7%、レベルCに該当するサイトが38.5%。がん専門医による評価ではレベルAに該当するサイトが10.1%、レベルBに該当するサイトが51.4%、レベルCに該当するサイトが38.5%という結果でした。

 インターネット上でがん治療に関する情報を提供しているサイトのうち、信頼できない情報を提供しているサイトは3~4割にも上り、信頼できるサイトよりも多いことが示されています。がん治療に関するインターネット情報の活用には、十分な注意が必要と言えるでしょう。

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