(3)カルシウムが豊富な「牛乳」は飲み合わせに注意する
食事からカルシウムを取る際に気をつけたいのが、カルシウムの吸収を妨げる成分の存在です。例えば、ハムやソーセージ、スナック菓子、インスタント食品などに多く含まれている「リン」は、体内でカルシウムと結びついて、吸収される前に排出されてしまう原因となります。
さらに、紅茶・コーヒー・緑茶に含まれる「タンニン」も、カルシウムや鉄の吸収を妨げる働きがあります。牛乳をはじめ、カルシウムが豊富な食品を取るときは、組み合わせに注意したほうがいいでしょう。
骨のためには「カルシウムさえ取っていれば安心」というわけではありません。ビタミンDに加えて、ビタミンK、マグネシウム、たんぱく質など、さまざまな栄養素がバランスよく摂取されてこそ、骨の形成や維持がスムーズに進みます。
また、最近流行している極端な糖質制限ダイエットにも注意が必要です。糖質を過度に減らすと、骨の形成を助けるインスリンの分泌が減ってしまい、かえって骨の健康に悪影響を及ぼすことがあります。主食であるご飯やパンも、適量をしっかり取り入れることが大切です。
次回は、こうした栄養素を簡単にバランスよく取れるレシピを紹介したいと思います。
▽本川佳子 管理栄養士。東京農業大学大学院修了後、急性期病院勤務を経て在宅栄養管理を行う。2015年から東京都健康長寿医療センター研究所。