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風が通る夕暮れどき<神楽坂>①

「この辺りが一方通行になったのは、カクエイさんによってなのよ」

 カクエイさん――ああ、田中角栄ですか!?

「角栄さんは神楽坂によく飲みにいらしてたからねぇ。朝は目白のご自宅から国会議事堂に向かって、帰りは反対にここを通って……」

 以前仕事で通りがかった道が気になり、もう一度ゆっくり歩きたくてやって来た猛暑日の夕方。気温はほとんど下がらず、暑さでフラついてきたので、ひと息つく意味も込めて、通りに立って夕涼みをしていたご婦人に話しかけた。東北から嫁いで五十数年。住む家は、当時のままだという。

「一日中家でテレビ見ていると疲れちゃうでしょ? 夕方になると外は風が通るし、涼みに出てくるの。この辺りは知っている人ばかりだから、みなさん声をかけてくれる」

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