原油高と極寒がジワジワ…値上げ“波状攻撃”は夏まで続く
値上げの波状攻撃だ――。電気・ガス大手は30日、燃料費の上昇を理由に3月1日からの値上げを発表した。31日、経産省が発表したガソリン価格1リットル=144円90銭は、2年半ぶりの高値水準。灯油も19週連続の上昇だ。
中東情勢が緊迫し、WTI原油先物価格が約3年ぶりの水準となる1バレル=66ドルまで上昇。値上げも仕方がないと思ってしまうが、足元の値上げは序章にすぎない。本格的な値上げは、忘れた頃に襲ってくる。
「今回の電気・ガスの値上げは、昨年秋の原油価格50ドル台後半を反映したものです。現在、原油は60ドルを突破し、70ドルに近づいています。それらは4月以降にキッチリ転嫁されていきます。さらに、フィルムや塗料などの原料は国産ナフサが基準になりますが、半年後に製品価格に転嫁されるでしょう」(石油業界関係者)
さらにタチが悪いのが厳冬だ。現在のハクサイやキャベツなどの野菜価格の高騰は、昨秋の天候不順が原因だ。今冬の異常な寒さの影響が出るのはこれからなのだ。
「ビニールハウスで育てるミカンや、乾燥させる干しシイタケは深刻です。加温や乾燥で使うA重油などの燃料は価格が上昇していて、農家はできるだけ節約したい。ところが、外気温があまりに低いため、燃料の使用量を減らすわけにはいかないのです。生産コストは大幅にアップします。農家で吸収できる程度を超えるので、価格に転嫁せざるを得ないでしょう」(農業関係者)
ただでさえ、アベノミクスの失敗で生活が苦しい庶民はダブルパンチだ。