1時間5000円~ 注目の「退職代行」は会社をどう説得するの
■辞めざるを得ない“方便”が必要
退職代行は、非弁活動に当たらないよう、伝言や説明、書類の受け取りなどに限られるという。そうはいっても、退職の意思を会社に伝えるだけかというと、それだけではない。会社が辞職を認めないときは、「辞めざるを得ない」と思わせる“方便”が必要だそうだ。
「母親になり代わって『息子が精神を病んでしまって……』と電話したり、病院関係者を装って『親が倒れた』と電話したり。もちろん、会社からは『息子さんの状態は?』『親の入院先は?』などと質問されます。そのときにどう答えるか。事前に緻密な打ち合わせが必要です。アドリブや演技力も不可欠なので、手間暇を惜しむことはできません」
同社の場合、基本料金は1時間5000円。事前打ち合わせや調査が必要な場合は、1万円以上の特別料金が加算。交通費も当然かかる。
そこまでカネをかけなくても……と思いがちだろうが、それくらい精神的に追い込まれている人が多いのだろう。
自由に辞めることもできないなんて、日本の労働環境は、一体どーなっているのか。