AI農業は着々と実用化 ロボットが収穫した野菜が店頭に
無人コンバインが刈り取り作業を行う――。正月に放送されたテレビドラマ「下町ロケット」の世界は、決して絵空事ではない。AIやロボット技術を使用した新たな農業は、全国各地で着々と現実化されている。
たとえば、野菜の収穫では、企業や大学が共同研究する形で3年ほど前から“農業収穫ロボット”が登場している。トマト、イチゴ、レタス、ハクサイなどの収穫で、実証実験が繰り返されてきた。
5月から、佐賀県でアスパラガスの自動収穫ロボットを稼働させる「inaho」(神奈川県)の大山宗哉社長が言う。
「これまで、アスパラガスの収穫は、人間が中腰になって長時間働いて行ってきました。それを全自動野菜収穫ロボットが肩代わりします。畝の間を自動運転で進み、カメラを使い“収穫していいモノ”を見て、パソコンが考えて、OKならロボのアームが伸びてカットしてロボのカゴの中に収穫します。まるで精密機器でしょ。カゴがいっぱいになったらスマホに“カゴを替えて”とか“終わったよ”と通知することもできる。実証実験では、収穫すべきモノの9割は正確に収穫できた。残り1割は、2本が隣接してたり、切ってはいけない木は取らないと指示してある分。人間の目と比べても遜色ありません」