佐々木成三さん<2>900人の独身警官と“成田ムラ”で生活
交番勤務をしていた時、役に立ったのが高校時代にやっていたアルバイトでの経験だった。
「あるレストランでボーイをやっていたんですが、その時に教えられたのが“ワンアクション・スリーゴール”です。1つの行動を起こす時は、角度が違う3つの目標をクリアしようというもの。たとえば、お客さんに呼ばれてテーブルまで行くのはワンアクションです。そのとき注文を聞けばゴールを1つ決めたことになる。ついでに隣のテーブルの空いている皿を片付ければ2つ目のゴール、別のお客さんのグラスに水を注げば3ゴール達成という具合。これを実践しているうちに、常に俯瞰で状況を見られるようになりました。新しいお客さんが来たら、そろそろというタイミングで注文を聞きに行き、帰りそうなお客さんがいればレジに行く。そんな動きが自然とできるようになったんです」
交番勤務の時も、パトロール中は「不審者がいるかもしれない」と警戒するだけでなく、ほかの事件の情報が得られるかもしれないなと思って行動する。