TOOT枡野恵也社長「男がパンツに気を回すようになれば…」
モノづくりへの強いこだわりを見せる男物パンツの会社。3000円以上の高価格帯ながらリピーターが多く、自社ECサイトの会員は3万人を超す。誰もが知る有名企業のトップも愛用者のひとりで、取締役会など、ここぞという時の勝負下着にしているという。
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サルバドル・ダリのようなカイゼルひげをたくわえた枡野さん。その強すぎる個性から業界の風雲児とも形容されることがあるが、話してみるとまったくの自然体だ。夏目漱石の「坊っちゃん」が実在すれば、こんな感じだったのかもしれない。
枡野さんは西宮市の名門、甲陽学院中・高を経て、東京大学法学部を卒業。マッキンゼー・アンド・カンパニーに入社した。その後、ライフネット生命に転職、2015年からTOOTの社長を務めている。
「甲陽学院の校訓が『明朗・溌剌・無邪気』であることからも分かる通り、何しろ校風が自由で、その影響を多分に受けました。型にはめない教育は、酒飲みがつくった学校というのもあるでしょう。神戸の灘高の開学が菊正宗なら、甲陽の運営も白鹿ブランドの辰馬本家酒造です。だからか、利益追求でなく、社会貢献を優先させるようなCSRの精神が強い。その校風を守って中高の6年間はバレーボール部の練習に明け暮れ、授業中はよく寝ていました」