労災発生件数は3万人 働き方改革時代の高齢者の健康と労働
昭和は55歳定年が当たり前だったが、1986年に高年齢者雇用安定法が成立して60歳定年が企業の努力義務になり、2013年には65歳までの雇用延長の義務化が行われた。問題はその後だ。定年後は好きに暮らすというのは昭和の話だ。年金額は削られ、働かなければ食っていけない高齢者がほとんどだ。
そのため多くの高齢者定年延長終了後に新たな仕事を探し、従事することになる。気をつけたいのが最近は高齢者の労働災害が増えていることだ。昨年の労災発生件数は12万7329人だったが、そのうち60歳以上は3万3246人で全体の26.1%に達している。この数字は10年前18.1%だったから大変な伸び率だ。
原因は本当は仕事に耐えられるほどの体力・健康がないのに、元気だと過信して仕事を選ぶ高齢者が増えたせいかもしれない。その意味では働き方改革時代の高齢者の健康と労働の関係は今一度立ち止まって考える必要があるのかもしれない。