加来耕三
著者のコラム一覧
加来耕三歴史家・作家

昭和33年、大阪市生まれ。奈良大学文学部史学科を卒業後、同大学文学部研究員をへて、現在は大学・企業等の講師をつとめながら著作活動を行っている。テレビ・ラジオ等の番組監修・出演などの依頼多数。著書に『加来耕三の戦国武将ここ一番の決断』(滋慶出版/つちや書店)『卑弥呼のサラダ 水戸黄門のラーメン』(ポプラ社)ほか多数。

恋に落ちた男のために火あぶりの刑に処せられた八百屋お七

公開日: 更新日:

 好きな男に会いたい一心で、付け火(放火)をして処刑されたのは、ご存知、八百屋お七です。

 井原西鶴の浮世草子「好色五人女」で取り上げられ、文楽や歌舞伎の世界でも有名になりました。お七の出自には諸説ありますが、「八百屋」という名は彼女の父親が八百屋を営んでいたからだ、と言われています。

 天和2(1682)年、江戸・本郷丸山の火事が起き、お七の家も類焼しました。焼け出された一家は同年暮れ、小石川にある円乗寺に避難して、とりあえずの仮住まいを始めます。

 ここでお七は、運命の出会いをしました。かいがいしく避難民の世話をしていた山田左兵衛という、寺小姓に恋をしてしまったのです。お七は16歳、左兵衛は17歳。美少女と美少年は互いに見初めあい、たちまち深い関係になっていきました。


 未熟ながら、2人の恋心は一途なものでしたが、やがて家屋の再建が終わると、お七は家に戻ることに。純情な彼女は左兵衛を忘れることができません。それどころか、別れてもなお、左兵衛への思いはつのるばかり。

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