「合意があった、なかった」の男女の食い違いはなぜ起こる
前回に続き、伊藤詩織さんと山口敬之さんの裁判を見て弁護士として思うことを書きます。
まだ裁判確定に至っていませんし、裁判というものの限界もあるため、伊藤詩織さんが性行為について同意をしたかどうかの真相はわかりません。
しかし弁護士として、このような性行為等について、同意があったと思っていた男性と、一方性被害に遭っているけど訴えても警察が取り合ってくれない、訴えるのが怖いという女性の両方から相談を受けることが本当に多いです。
女性側には明確な落ち度がないケースが多いかなと思いますが、男性側には、脇の甘さが目に付くケースが多いように思います。
まず、大切なことは、「同意があると思っていても、後から『そんなつもりじゃなかった』といって同意がなかったと訴えられる可能性がある」ということを常に頭に置いておく必要があるということです。美人局のような行為が許されるわけではありませんし、男性側として言いたいことがあるのは十分わかります。