詩織さんの不服を却下 アベ友「不起訴」検察審査会の疑惑
伊藤詩織さんが元TBS記者・山口敬之氏からのレイプ被害を訴え、勝訴した民事訴訟。東京地裁が「合意のない性行為」と事実認定したことを受け、東京地検の不起訴処分に批判が集まっている。山口氏が“アベ友”だったため、逮捕に続き、起訴も免れたのではないか。起訴して刑事裁判で白黒ハッキリさせるべきだ――。そんな声が湧き起こっているのだ。
だが、検察自ら腰を上げ起訴する「再起」の道はあるものの起訴は極めて困難だ。2017年5月の詩織さんの不服申し立てに対して、検察審査会が同年9月「不起訴相当」の決議を下しているからだ。検察審査会は有権者からくじで選ばれた11人の審査員が、「不起訴」の妥当性を判断する制度。「一事不再理」により、詩織さんは再度申し立てできないのである。
ところが、検察審査会の審査に疑惑があったとしたら話が違ってくる。
「健全な法治国家のために声をあげる市民の会」(八木啓代代表)の情報開示請求に対して、東京第六検察審査会は昨年12月、一部文書を開示しているのだが、八木代表は驚いたという。
「通常、法的なアドバイスをする補助弁護士が付くのですが、詩織さんの審査会にはいませんでした。審査員は法的な論点を理解できません。また、どんな証拠が提出され、どのような議論を経て『不起訴相当』の判断に至ったのかの理由が一切示されていないのです。ちゃんと審査されたのか疑問です」