新鮮野菜に芸術…移住者急増の群馬県高崎市の魅力を探る

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 群馬県高崎市は、関東平野北部に位置する北関東を代表する都市だ。東京から約100キロで、新幹線なら50分。新潟からも約1時間15分と、太平洋と日本海とを結ぶ拠点でもある。近年は他県から移住する人も増えてきた。一体、どんな魅力があるのか。探索に出掛けた。

■子供も大人も楽しめる「ケルナー広場」

 東京から新幹線で向かうと、到着する直前に優雅な景色に出合える。左手の観音山の山頂に真っ白な高崎白衣大観音、その奥には榛名山の裾野まで広く長く望むことができるのだ。高崎には自然豊かな環境がある。その一方で首都圏からも近く利便性が高い。そこがIターンを希望する人たちにとって、第一の魅力なのだろう。

 移住者が最初にホッとくつろぐ場所となるのが2016年に完成したケルナー広場だ。観音様が見つめる麓に、山の地形を生かしてつくられた。

「引っ越してきた人たちがまず最初に訪れる場所でリピーターも多く、子供からお年寄りまで集う憩いの場所になっています」(「ぴよぴよの会」代表・横山由美子さん)

 手掛けたのは、ドイツの遊具製作会社ケルナー社。設置されている遊具は、斬新なデザインと構造が特徴である。同社の広場は世界の400カ所にあるが、それぞれ全てがオリジナルという。確かに見たことのない遊具ばかりで、子供だけでなく大人も一緒に遊んでしまいたくなる。広さは15ヘクタール。年間で9万人が来園するという。春は桜、夏は屋外プールで賑わう。入園料無料(開園時間午前9時~午後5時、駐車場あり。プールは有料)もうれしい。

新鮮野菜が豊富な「くらぶち小栗の里」

 高崎駅から約1時間、自然の中を車を走らせれば、市内唯一の「道の駅」である「くらぶち小栗の里」(℡027・384・8282)に到着する。完成は6年前。野菜やコメ、パンなどの食料を買うために、草津や軽井沢から立ち寄る人も少なくない。多目的ホールや調理室もあるため、地域の人たちが集う場所として賑わっている。

「県外から移住してきた人に農業支援をしていますので、新規就農者が作った農作物や加工品も売っています」(道の駅の駅長・塚越正平さん)

 これまでに30世帯が農業をするために移住し、有機野菜作りなどに取り組んでいるという。

 併設されている食堂「おもてなし処 小栗」のオススメは、高崎の郷土料理「おきりこみ鍋」(税込み770円)。幅の広い麺を下茹でせずに、そのまま野菜やキノコと一緒に味噌ベースで煮込んだもの。旬の食材もたっぷりで、豊潤なうま味を楽しめる。馴染み深い味と食感で腹もふくれて大満足だ。

「BOØWY」「山田かまち」を生んだ芸術の発信拠点

 高崎は1980年代にロックバンド・BOØWYが誕生した街でもある。解散した今も人気は変わらずファンは多い。

 自他共に認める熱狂的なBOØWYファンだという高山さん(43)は、大阪でアパレル会社を経営していたが、3年前に家族と一緒に高崎に移住した。夢は、2000点を超えるBOØWYコレクションを展示するギャラリーをつくること。

「僕のコレクションを生かして誕生の地高崎でファン同士語り合うような場所をつくりたいです」

 そもそも高崎は戦後、全国に先駆けて地方オーケストラ「群馬交響楽団」を設立するなど、芸術の発信拠点としても知られてきた。それだけに感度がいい人にとっても魅力が大きいところのようだ。昨年秋には「高崎芸術劇場」(℡027・321・7300)もオープン。暮れにはBOØWYの元ギタリスト・布袋寅泰が凱旋し特別公演を開催したほか、世界中のアーティストが演奏を行ってきた。最新の設備が完備された舞台ではさまざまな音楽や演劇を楽しめる。上階には住民が利用できるガラス張り練習室を併設。そこから高崎の山々や谷川岳を望むこともできる。

 もうひとりの芸術家・山田かまちの作品も見ておきたい。1960年に高崎市で生まれ、幼い頃から絵の才能を発揮した。17歳で夭折するが、死後の1990年代に展覧会などを通じて全国に知られるように。少年時代に書いた詩は、高校の教科書にも掲載された。

 彼の残した水彩画、デッサン、詩文のつづられた自筆のノートなど約130点を展示しているのが、「高崎市山田かまち美術館」(℡027・321・0077、午前10時~午後6時、入場料200円)。BOØWYの元ボーカリスト・氷室京介と中学の同級生だというから、なんとも不思議な縁である。

■親代わりに子育て相談

 高崎市の「子育てなんでもセンター」(℡027・393・6101)は、市が子育て支援を提供する施設だ。

「ママたちが交流しながらさまざまな相談ができる場所は全国でも珍しいんです」(所長・小石さち子さん)

 転勤組や移住してきた家族は、親の住む場所と離れてしまうことが多い。その代わりに相談相手になってもらえる心強い場所なのだ。1時間300円で託児所も利用できる。

(取材・文=浦上優)

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