部落問題もズバッと切り込むNHK「バリバラ」の知恵と覚悟
みなさんはNHKのEテレで放送されている「バリバラ」をご覧になったことがあるだろうか。2012年から放送されている障害者を主役にしたバラエティー番組だ。
現在は、「生きづらさを抱えるすべてのマイノリティーにとっての“バリア”をなくすバリアフリー・バラエティー」となっていて、障害者に限らず、いろんな問題にズバッと切り込んでいる。これがすごいのだ。毎回、驚かされる。
先日のテーマは部落問題だった。番組では、アフリカ系アメリカ人の男女2人が、大阪の部落といわれるエリアを訪れる。彼らは「アメリカにも差別される地区がある」などと話しながら、現状をリポート。そこに住む人たちにも話を聞いていた。
私のように東京で育っていると、こうした問題を身近に感じることは少ない。それだけに意義のある番組だと感じるし、NHK大阪放送局の制作だけあって、重いテーマを軽やかに笑いを交えながら紹介していくやり方にも感心させられる。
最近は新しいマンションも建設されて、差別と無縁の人たちも住むようになっているという。部落といっても、以前のように全員が差別を受けるような状況ではなくなってきたようだ。それでもなお、令和の時代を迎えても、いわれなき差別を受ける人たちがいることは、日本社会が抱える大きな問題である。