アスリートやアーティストは「他人と違う」から素晴らしい
テニスの4大大会のひとつ、全米オープンの女子シングルス決勝で、大坂なおみさんが2年ぶり2回目の優勝を果たした。その結果は称賛に値するし、さらに素晴らしいのは自らの考えを堂々と主張したことだ。大会期間中は警察などの暴力で命を落とした方の名前が記されたマスクを着用。試合中も差別の撤廃を訴え続けた。自らの立場を鮮明にすれば、反発する人も出てくる。それを承知で発信し続けた。勇気のある行動だ。
実際に日本語のSNSでも「スポーツに政治を持ち込むな」などと、大坂さんを非難する意見が散見されるという。彼女のスポンサー企業に対して不買運動をあおるような書き込みもあるそうだ。なんとも愚かなことである。
日本では著名人が政治的な発言をすることに対して眉をひそめる人が多い。少し前も安倍政権に批判的な発言をした俳優などが猛烈なバッシングにさらされた。スポーツ選手や芸能人は権力に黙って従え、といわんばかりである。
もともと日本人は異質や異端を嫌う社会に生きてきた。その根っこにあるのが同調圧力である。自由な振る舞いを許さないという発想で、みんなと同じであることが正しいという考えだ。