三枝成彰
著者のコラム一覧
三枝成彰作曲家

1942年、兵庫県生まれ。東京芸大大学院修了。代表作にオペラ「忠臣蔵」「狂おしき真夏の一日」、NHK大河ドラマ「太平記」「花の乱」、映画「機動戦士ガンダム逆襲のシャア」「優駿ORACIÓN」など。2020年、文化功労者顕彰を受ける。

アスリートやアーティストは「他人と違う」から素晴らしい

公開日: 更新日:

 テニスの4大大会のひとつ、全米オープンの女子シングルス決勝で、大坂なおみさんが2年ぶり2回目の優勝を果たした。その結果は称賛に値するし、さらに素晴らしいのは自らの考えを堂々と主張したことだ。大会期間中は警察などの暴力で命を落とした方の名前が記されたマスクを着用。試合中も差別の撤廃を訴え続けた。自らの立場を鮮明にすれば、反発する人も出てくる。それを承知で発信し続けた。勇気のある行動だ。

 実際に日本語のSNSでも「スポーツに政治を持ち込むな」などと、大坂さんを非難する意見が散見されるという。彼女のスポンサー企業に対して不買運動をあおるような書き込みもあるそうだ。なんとも愚かなことである。

 日本では著名人が政治的な発言をすることに対して眉をひそめる人が多い。少し前も安倍政権に批判的な発言をした俳優などが猛烈なバッシングにさらされた。スポーツ選手や芸能人は権力に黙って従え、といわんばかりである。

 もともと日本人は異質や異端を嫌う社会に生きてきた。その根っこにあるのが同調圧力である。自由な振る舞いを許さないという発想で、みんなと同じであることが正しいという考えだ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

最新のライフ記事

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    山口達也さんの“再出発”に賛否…TOKIOを連想させる「社名」にドン引きするファンも

    山口達也さんの“再出発”に賛否…TOKIOを連想させる「社名」にドン引きするファンも

  2. 2
    巨人・原監督「実力至上主義」の真っ赤なウソ 坂本&菅野“大甘”重用に中堅・若手ドッチラケ

    巨人・原監督「実力至上主義」の真っ赤なウソ 坂本&菅野“大甘”重用に中堅・若手ドッチラケ

  3. 3
    目黒蓮の魅力を最大限に引き出した今田美桜「わたしの幸せな結婚」興行収入が“キムタク超え”確実

    目黒蓮の魅力を最大限に引き出した今田美桜「わたしの幸せな結婚」興行収入が“キムタク超え”確実

  4. 4
    山口達也「性加害」に触れず再始動で批判殺到 ハワイデビューの長男Shotaro“支援”が目的か?

    山口達也「性加害」に触れず再始動で批判殺到 ハワイデビューの長男Shotaro“支援”が目的か?

  5. 5
    きゃりーぱみゅぱみゅ結婚がWBCの“祭り”に負けず大きな注目を集めた意外性の数々

    きゃりーぱみゅぱみゅ結婚がWBCの“祭り”に負けず大きな注目を集めた意外性の数々

  1. 6
    不倫報道で降板相次いだ声優・櫻井孝宏の「呪術廻戦」続投に肯定派が多いワケ

    不倫報道で降板相次いだ声優・櫻井孝宏の「呪術廻戦」続投に肯定派が多いワケ

  2. 7
    ガーシー容疑者は捜査の「奥の手」使われ白旗か…母親住む実家ガサ入れで号泣配信

    ガーシー容疑者は捜査の「奥の手」使われ白旗か…母親住む実家ガサ入れで号泣配信

  3. 8
    侍ジャパン独身組の“嫁取りラウンド”勃発へ! 板野友美&衛藤美彩がキーパーソン

    侍ジャパン独身組の“嫁取りラウンド”勃発へ! 板野友美&衛藤美彩がキーパーソン

  4. 9
    NHK大河「どうする家康」がダメな元凶…松本潤のダメダメ演技と合戦シーンの手抜きにアリ

    NHK大河「どうする家康」がダメな元凶…松本潤のダメダメ演技と合戦シーンの手抜きにアリ

  5. 10
    佐藤江梨子、MEGUMI、小池栄子は消えず健在…元イエローキャブ40代女優3人の現在地

    佐藤江梨子、MEGUMI、小池栄子は消えず健在…元イエローキャブ40代女優3人の現在地