特異体質で片づけられてしまう農薬の害…影響は未知の分野
農薬の怖さは発がん性もあるが、最近では見えない毒性、例えば自己免疫疾患や生殖障害といった病気にも関わっている。だから、できるだけ食事は有機にした方がいいと説明すると、必ずこう言われる方がいる。
「うちの子供はスーパーで買った普通の野菜をいつも食べているけど、そんな病気にはなっていない」
確かにそうだ。危険だといっても、発症する人と発症しない人がいるのは、何も農薬に限らない。例えばスマホだ。スマホを長時間使うと睡眠障害やうつ病になるというデータがある。でも、そうならない人もいる。その差はどこにあるのかというと、感受性の差である。特に農薬のような化学物質の毒性は、感受性によって大きく違ってくる。
農薬の残留基準値だが、マウスなどで実験して、この量ならいくら食べても毒性が出ないという数値を設定する。それを100分の1にしたのが一日摂取許容量(生涯にわたって摂取することが許される一日の上限量)で、これをさらに100分の1にしたのが残留基準値。つまり1万分の1にしたのだから、人間も大丈夫だろうというわけだ。