「なめ猫」仕掛け人が語る誕生秘話 80年初めに大ブーム!

公開日: 更新日:

 1980年の初めに空前のブームとなった「なめ猫」グッズ(正式名称は「全日本暴猫連合 なめんなよ」)。当時は、免許証から缶ペンケースまで多数の商品が発売され、社会現象となった。ブームの秘密を生みの親に聞いた――。

 ◇  ◇  ◇

 “アイドル猫”の元祖とも言えるのが、今から40年前の1980年初頭に大ブームとなった「なめ猫」だ。

 ブームの発端はOLを中心とした大人の女性たち。可愛らしい子猫に学ランやロングスカートのセーラー服など、ツッパリスタイルの格好をさせた写真集が飛ぶように売れ、その後発売された「なめ猫免許証」にチビッコや中高生が飛びついた。

 さらになめ猫は、子どものみならず、老若男女を巻き込んだ社会現象となっていった。写真集から、文具、シングルレコード「なめんなよ」(オリコンランキング最高5位)まで、最盛期は500種類近くの関連グッズが発売され、経済効果は1000億円とも言われた。政府広報のイメージキャラクターにもなった。

誕生のきっかけは彼女の忘れ物

 仕掛け人はなめ猫だけでなく「T-REX」などのキャラクターのほか、音楽やイベントも手がけるプロデューサーの津田覚氏。

「なめ猫」誕生の秘密について津田氏はこう語る。

「最初は、たまたま捨て猫をもらって育てていたんですよ。ある日、当時、付き合ってた彼女がフランス人形の洋服を作っていて、私の部屋に忘れていったんです。それを猫に着せてみたらちょうど良かったんですね。その姿を成長記録のつもりで撮り始めたのですが、写真を人に見せると、みんながおもしろいって言ってくれるんです。それがきっかけで商品化に踏み切りました」

「猫たちは私を親だと思っていた」

 最初は遊びだったというわけだが、子猫に服を着せての撮影は苦労したのでは?

「みなさん、そう言うんですが、実はあまり苦労はなかったんです。あの猫ちゃんたちをもらい受けてきた時は、まだ胎盤がついていたんですよ。それをガーゼで拭いて、スポイトでミルクをあげて育てたんです。目が開いて生まれて初めて見たのが私だし、初めて嗅いだにおいも私ですから、私を親だと思っていたんですね。トイレにもついてくるし、変な話、私のトイレのにおいを嗅いで猫たちももよおすということまであった。それくらい懐いていたんですよ。だから嫌がることもなく自然に撮れました」

 さらにブームを決定付けたのは、当時流行していた“ツッパリファッション”を猫たちにさせたこと。学ランやロングスカートのセーラー服を着て、バイクの横にたたずむ姿は人々を熱狂させた。津田氏が続ける。

「なめ猫免許証」はニセ物も出回るほど超人気

「可愛い子供にちょっと大人っぽい格好をさせると、より可愛さが引き立つじゃないですか。それと同じで、生後1カ月から1カ月半くらいの可愛い猫ちゃんに、怖い存在であったツッパリの格好をさせたら、そのギャップで可愛さが際立ったんですよ」

 免許証の有効期限は、「死ぬまで有効」や「なめられたら無効」などとなっており、シャレが効いていたのもポイント。当時は、合成写真を用いたニセ物も多数出回るほどだった。

 実際の撮影は、猫が小さかった82年までだったそうだが、グッズはその後も発売され続けた。

 ブームは一度下火になったものの、2000年代になると、「猫ブーム」もあり、再びなめ猫が注目を集めることになる。

 2005年に約23年ぶりになめ猫グッズを復活させると再び大ヒット。2006年には警視庁の暴走族追放キャンペーンのキャラクターとなり、スマホゲームやアパレルとのタイアップも増えていった。

LINEのスタンプも1カ月で580万DL

 2017年には、漫画「なめ猫さん~サラリーマン、にゃめんなよ!!~」が「別冊ヤングチャンピオン」で連載スタート。なめ猫がサラリーマンになって帰ってきたというストーリーだった。誕生から40年経った現在でも、商品化のオファーがあり、なめ猫の人気は不動なのだ。

「当時のブームを知っている方だけではなくて、今の若い人にも受け入れられてますね。2015年にリリースしたLINEのスタンプも1カ月で580万ダウンロードされましたから。今でも、イベントのキャラクターなど、たくさん声を掛けていただいています。人気の秘密? やっぱり、子猫の可愛らしさは、いつの時代も変わらないってことだと思います」

 時代が変わっても、子猫の可愛さは永遠ということのようだ。

(取材・文=安田真悟)

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

最新のライフ記事

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    近藤春菜の地上波激減に友近真っ青…大きすぎた反旗の代償

  2. 2

    巨人投壊の犯人は誰?桑田補佐「投げ込み奨励」が目の敵に

  3. 3

    大阪の“二の舞”か5.4万人入院できず…迫る最悪の医療崩壊

  4. 4

    大谷二刀流が意外な不人気の謎解き 報道とファンは対照的

  5. 5

    オリラジ藤森慎吾 “司会1時間1000万円”オファー断った嗅覚

  6. 6

    夏目三久“女子の本懐”と玉の輿 フリーアナ戦線から一抜け

  7. 7

    「リコカツ」永山瑛太の新機軸 守られたい女子急増の予感

  8. 8

    小池都知事が大誤算…「東京五輪中止」ブチ上げの効果消失

  9. 9

    ポスト夏目三久は誰?引退で熾烈な“椅子取りゲーム”が勃発

  10. 10

    菅野の故障で巨人が“腕まくり”引き留めに破格の40億円用意

もっと見る