大阪のコロナ死増は変異株蔓延が原因か 英国型は致死率2倍

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 国内で確認が相次ぐ新型コロナの変異株。厚労省発表の感染者数(9日時点)は21都府県で271人と1カ月前の4倍に膨れ上がっている。そこへ、国内の変異株の96%を占める英国型の致死率が最大2倍――。英国の研究結果に衝撃が走っている。

  ◇  ◇  ◇

 研究結果は10日、英エクセター大などの研究チームが英医学誌ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル(BMJ)で発表した。研究チームは昨年10月から今年1月までの期間に英国型変異株に感染した約5万5000人と、年齢、性別、居住地、感染時期などがよく似た従来型の感染者約5万5000人とを比較した。死者は従来型141人に対し、変異株は227人だった。変異株の感染者の致死率は従来型の1.3~2倍になる。

 英国型は感染力が最大1.9倍とされてきたが、致死率まで2倍とは驚きだ。

 気になるのが、死者数が全国で2番目に多く、変異株が最多の大阪だ。札幌医大フロンティア研ゲノム医科学が取りまとめた「人口あたりの新型コロナウイルス死者数の推移」によると、大阪の人口100万人あたりの死者数(10日時点)は129.9人と全国平均66.6人の約2倍。昨年12月に旭川市の病院クラスターで死者が激増し、それ以来最多が続いていた北海道(132.8人)を追い抜く勢いだ。

 9日時点の大阪の変異株の感染者は全て英国型で62人。吉村大阪府知事は11日、変異株が多いことについて「過去検体も含めて徹底的に調査しているということから判明数が多い」と自慢げだったが、ちょっと待ってほしい。府の検査は1月20日~3月3日の検体から287人分。この期間の府内の感染者数は8271人なので、わずか3.4%に過ぎない。ちなみに、厚労省発表の2月22~28日の全国の変異株の検査実施率は17%だ。

「567人の検体調査で解明できる」

 しかも、大阪府の検査には府内の感染者の4~5割を占める大阪市の感染者はほとんど含まれていない。府内の変異株の実態把握は決して十分とは言えない。

 それでも、全国最多の変異株が確認されているのは、大流行している可能性があるということだ。

 致死率が高い変異株が大阪で蔓延しているから、死者数が多いのではないか――。

 西武学園医学技術専門学校東京校校長の中原英臣氏(感染症学)が言う。

「大阪の変異株の検査があまりにも少ないので、断定はできませんが、致死率が高い英国型の流行が府内の死者数を増やしている可能性はあります。もし、吉村知事が本気で実態を掴む気があるならば、1月以降の死者の検体について変異株の検査をすればいい。簡単なことです。変異株と死亡の関係についての有益なデータにもなります」

 大阪の死者1146人のうち1月以降は567人。吉村知事はこの検体をすぐに調査すべきだ。 

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