河野大臣のワクチン廃棄「許しがたい」に現場から怨嗟の声
何様のつもりか。河野ワクチン担当相が21日の会見で、新型コロナウイルスワクチンの廃棄事例について「極めて許しがたい」と罵倒した。「廃棄しないようお願いする」と普通に言えばいいのに、なぜこんな上から目線なのか。
全国で高齢者への接種が進むファイザー製ワクチンは、解凍・希釈してから6時間以内に打たなければならない。しかし急なキャンセルなどで用意した分が打てないケースが多発している。
河野大臣は「いくつかの自治体、保健所で『接種券がない者には打てない』という誤った指導を行っている」と問題視し、接種券がなくても「後日、接種記録を入れればいいだけの話」と、余ったワクチンはとにかく接種して使い切るよう求めた。
大臣のお墨付きに“抜け駆け接種”の首長たちは喜んでいるかもしれないが、現場は困惑。怨嗟の声が上がっている。首都圏のある市の関係者が怒りを込めて言う。
「廃棄なんてしたくはありませんが、余ったワクチンの取り扱いについて国からガイドラインが示されていない。お年寄りは急に体調が悪くなって接種会場に来られなくなることもありますが、ワクチンの供給スケジュールがはっきりしないので、あらかじめ多めに予約を受け付けることはできません。さらには、自治体の高齢者向け接種が始まった直後に国の大規模接種センターの設置が決まり、その予約管理システムは自治体と連携していない。両方で予約が取れたら、どちらかはキャンセルになるのでしょうが、いつ、どのように連絡が来るかも分からず、現場は混乱しています」