ジリ貧公明が3選挙区で大苦戦、現職閣僚も落選危機!「小選挙区で完全勝利」早くも黄信号
「全国9つの小選挙区での完全勝利」――。衆院選(19日公示、31日投開票)をめぐる公明党の目標に黄信号だ。現職閣僚を筆頭に苦戦を強いられている。
公明は北海道、東京、大阪、兵庫、広島の5都道府県9選挙区に候補者を擁立〈表〉。元国交相の北側副代表や、赤羽前国交相といった閣僚経験者は余裕の戦いが予想されるなか、斉藤国交相(広島3区)は、立憲民主党から立つ野党統一候補のライアン真由美氏を振り切れない。
「広島3区は2019年参院選での河井元法相夫妻による大規模買収事件が尾を引き、与党統一の斉藤さんに逆風が吹いています。買収された地元議員は表立って動きづらい状況ですし、岸田総理は説明から逃げ、幕引きしようとしている。斉藤陣営はどこに行っても必要以上に頭を下げなければならない。戦いづらさはあるとはいえ、総理のお膝元で現職大臣が負けたら、それこそ目も当てられません。公明の支持母体である創価学会が中心となって、動ける自民議員と一緒に区内で300人規模の集会を行うなど、保守票の掘り起こしに躍起になっています」(地元政界関係者)
山口代表は反共ムキ出し舌禍
現職閣僚をめぐる想定以上の劣勢にイライラが募ったのか、公明の山口那津男代表は衆院が解散した14日の街頭演説で問題発言。野党共闘に対し、「共産党は日米安保条約廃棄、自衛隊は違憲、天皇制は憲法違反、廃止」と反共ムキ出し。共産は「全くのデマだ。天皇の条項も含めて憲法の全条項を守ると綱領に明記している」(小池晃書記局長)とカンカンで、撤回を求めている。
公明の悩みの種は斉藤氏だけではない。稲津久元厚労副大臣(北海道10区)や、岡本三成元外務大臣政務官(東京12区)もギリギリの戦いを強いられそうだ。
「北海道10区は与野党一騎打ち。稲津さんは前回、立憲の野党統一候補に500票差まで迫られました。今回も同じ構図で、情勢調査でも優勢とは言い難い。東京12区も事実上、共産候補との一騎打ちで、リードを許している状況です」(与党関係者)
「完全勝利」のハードルは高い。