日大が「日東駒専」から転落する日…田中前理事長逮捕が2022年受験シーズンを直撃か
日本大学は10日、前理事長や元理事らの背任事件と脱税容疑を受けて謝罪会見を行った。3年前(2018年)にはアメフト部の悪質タックル問題や医学部不正入試問題で世間を騒がせたが、今回のイメージダウンはその比ではない。
今年9月に東京地検特捜部が背任容疑などで日大本部や前理事長の田中英寿容疑者(75)宅などを捜索し、10月には、元理事の井ノ口忠男被告(64=背任罪で起訴)らを逮捕。11月に所得税法違反容疑で田中容疑者が逮捕されたことから、3カ月に渡って不祥事が報じられてきた。
例年9月から12月にかけては学校選びのシーズン。一連の報道で受験生への影響は避けられないだろう。前回の不祥事の翌19年入試で、日大は全体で約1万5000人の一般志願者を減らしている。大学ジャーナリストの石渡嶺司氏が言う。
「この年、同程度の偏差値で括られる“日東駒専”のうち、東洋・駒沢・専修大学はいずれも志願者を伸ばしています。不祥事が影響したことは間違いありませんが、運動部や医学部の問題のためほとんどの一般受験生にとっては他人事。思ったほどは減らさなかった印象です。ただ、今回は背任事件と脱税容疑で、イメージが悪すぎる上、私学助成金が全額不交付となる可能性がある。そうなれば学費の値上げが避けられず、親御さんからも敬遠される可能性があります。日大はこれまで、13年(定員超過・減額幅は不明)、18年にアメフト騒動によるガバナンス欠如で10%、医学部不正入試で25%の計35%を1年間カットされています」