著者のコラム一覧
澤章東京都環境公社前理事長

1958年、長崎生まれ。一橋大学経済学部卒、1986年、東京都庁入都。総務局人事部人事課長、知事本局計画調整部長、中央卸売市場次長、選挙管理委員会事務局長などを歴任。(公)東京都環境公社前理事長。2020年に『築地と豊洲「市場移転問題」という名のブラックボックスを開封する』(都政新報社)を上梓。YouTubeチャンネル"都庁OB澤章"を開設。最新作に「ハダカの東京都庁」(文藝春秋)、「自治体係長のきほん 係長スイッチ」(公職研)

小池都知事の空疎な言語センス オミクロン株急拡大を「首都直下地震に相当」と過剰表現

公開日: 更新日:

 政治家にとって言葉は「生命線」だ。名言を歴史に刻むのも失言で失脚するのも、政治家の「言語感覚」次第だと言える。小池都知事の場合、その「言語感覚」がちょっと変だと感じてしまうのは私だけであろうか。

 例えば、小池知事は9日の会見で、新型コロナウイルスのオミクロン株による感染急拡大の状況について、「超音速に『極』をつけてもいいくらいの急速な拡大」などと表現していた。「極」とは、北朝鮮が発射を繰り返している「極超音速ミサイル」を指しているのだろう。北朝鮮の脅威と急激なコロナ感染のスピードを結びつけて警鐘を鳴らした、ということなのだろうか。

 だが、私にはどこか当事者意識を欠いた、上っ面だけの言葉に聞こえてならなかった。わざわざ北朝鮮を持ち出す必要がどこにあるのか。さすがにドヤ顔とまでは言わないが、小池知事の表情は、こう言いたいかのようだった。

「ね、私って気の利いたことを言うでしょ。国際情勢とコロナを関連付ける政治家なんて、私以外にはいないのよ」

「意地悪な見方」と思われるかも知れないが、「極」発言に限らず、小池知事が発する言葉は、いつもその場限りのウケ狙い。言葉を聞いた者の中に共感を呼び覚ます力が決定的に欠落していると言わざるを得ない。

■関連キーワード

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 暮らしのアクセスランキング

  1. 1

    若手社員に「残業キャンセル界隈」増加中だって? それなら管理職は“指導キャンセル界隈”で

  2. 2

    農水省は「生産量が需要を大幅に上回る」と…“コメ余り”予想でも新米価格が下がらないワケ

  3. 3

    「ダニ博士」に聞いた…マダニ感染症もクマ出没も生物と人間社会との距離の問題

  4. 4

    まだ暑いのに…季節外れのインフルエンザ猛威のなぜ? 全国の小中学校などで学級閉鎖相次ぐ異常事態

  5. 5

    大阪万博の目玉リング「市民公園」活用案に早くも漂うグダグダ感…コストは維持・管理含め約60億円

  1. 6

    悠仁さまのお立場を危うくしかねない“筑波のプーチン”の存在…14年間も国立大トップに君臨

  2. 7

    9月19日から運用開始「スマホ保険証」はほぼ無意味…医療機関や患者を惑わす数々の“落とし穴”も

  3. 8

    小林鷹之氏と旧統一教会のズブズブ…総裁選出馬会見で突っ込まれ“逃げ”のトーンダウン

  4. 9

    悠仁さまは学習院ではなぜダメだった?大学進学で疲弊する宮内庁職員「もうやめたい」と悲鳴

  5. 10

    婚活相手の「モラハラ」や「激昂」…それは本当に“地雷”? 相手の見抜き方とリスク回避

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    U18高校代表19人の全進路が判明!プロ志望は7人、投手3人は中大に内定、横浜高の4人は?

  2. 2

    「時代に挑んだ男」加納典明(43)500人斬り伝説「いざ…という時に相手マネジャー乱入、窓から飛び降り逃走した」

  3. 3

    巨人・田中将大が好投しても勝てないワケ…“天敵”がズバリ指摘「全然悪くない。ただ…」

  4. 4

    永野芽郁が“濡れ場あり”韓流ドラマで「セクシー派女優転身、世界デビュー」の仰天情報

  5. 5

    《浜辺美波がどけよ》日テレ「24時間テレビ」永瀬廉が国技館に現れたのは番組終盤でモヤモヤの声

  1. 6

    沖縄尚学・末吉良丞の「直メジャー」実現へ米スカウトが虎視眈々…U18W杯きょう開幕

  2. 7

    世界陸上復活でも「やっぱりウザい」織田裕二と今田美桜スカスカコメントの絶妙バランス

  3. 8

    「24時間テレビ」大成功で日テレが背負った十字架…来年のチャリティーランナー人選が難航

  4. 9

    15年前に“茶髪&へそピアス”で話題だった美人陸上選手は39歳、2児のママ…「誹謗中傷もあって病んだことも」

  5. 10

    日本ハム新庄監督は来季続投する?球団周辺から聞こえた「意味深」な声