梅宮アンナは愛犬との別れを投稿…「ペットロス」の耐え難い苦しみから抜け出すには?

公開日: 更新日:

 コロナ禍で自宅で過ごす時間が増えたことから、ペットを飼う人が増えたという。犬と散歩したり、猫とじゃれたりするのは癒やしになるが、避けて通れないのがその別れ。想像を絶するというペットロスの苦しみとは……。

  ◇   ◇   ◇

「ハニーが、昨日旅立ってしまいました」

 こんな書き出しで愛犬ハニーとの別れをインスタグラムに投稿したのは、タレントの梅宮アンナ(49)だ。「この数年は、病との戦いで、クッシング症候群。。心臓も少し前から弱くなっていました。気管支虚脱もあり、ハニーは、とても辛い毎日を過ごしていて。。」と闘病生活のつらさをつづりつつも、「ハニーといた時間は、とても濃い時間でした」と感謝の気持ちも伝える。

「アニコム家庭どうぶつ白書」によると、犬の平均寿命は14歳。猫も同じく14歳だ。犬や猫を生まれて間もなく飼い始めると、大体十数年で別れの時が訪れる。その苦しみは、ペットの飼い主ならだれにでも生じる正常な反応だが、より強い精神的、身体的な症状に苦しめられることがあり、ペットロス症候群と呼ばれている。

■70男がスーパーの買い物中に号泣

 大阪に住む71歳の男性は昨年6月、シバイヌのゴンを失った。

「両親を亡くした時でさえ、涙が出ませんでした。ペットロスのことはもちろん知っていましたが、そんな性格ですから、大丈夫だと軽く考えていたんです。でも、まさかこんなに苦しいとは。まったく思いも寄りませんでした」

 40代で妻とは離婚。一人息子はすでに独立し、離れて暮らしていた。定年を3年後に控えた57歳の時、ペットショップで衝動買いしたゴンとの共同生活が始まった。

 定年後は朝と夕方、近所の公園に散歩に出掛けた。足腰が弱くなった晩年は、自転車のカゴに乗せ、雨の日も欠かさず公園に繰り出すのが日課だったという。

「ゴンはカゴが好きで、カゴに乗せると喜ぶんです。亡くなって7カ月が経った今でも、散歩の時間になると、時々、『ゴン、行くよ』とつぶやいてしまうことがある。つぶやいて気づくんです。『あ、もういないんだ』って。ゴンを思い出すので、死後は自転車に乗れなかったし、公園にも行けなかった。ようやく自転車に乗れるようになったのは3カ月後、公園に行けたのは年が明けてから。ごく最近ですよ」

 ゴルフが趣味で、毎週ラウンドする。「スコアが悪くてイライラして帰っても、ゴンと過ごすとイライラが解消した。癒やしでした」と振り返る。

 その癒やしを失ったことで、心のバランスを崩したという。

「外出していると突然、涙があふれてきました。ゴンのことを考えていたわけでもなく、突然。そうなると、どうにもなりません。スーパーで買い物をしていた時は、慌ててトイレに駆け込んで、声を押し殺して泣いた。運転中は、路肩に車を止めて、周りに聞こえないように、音楽を大音量にして声を上げて泣きました。離婚した時も、親を亡くした時も落ちなかった食欲が、あの直後はなくなってね。夜は眠れなくなった。人生で初めて、かかりつけ医に睡眠薬を処方してもらったんです。アホで陽気なオレが。亡くなって1カ月ほどで、体重が3キロ落ちた。こんなことなら、もっとうまいものをあげていればよかった。公園のほかにもあちこち連れていってあげたら……と後悔ばかり募って、自分を責める。本当につらかった」

 リビングには、息子が作ってくれたゴンの仏壇があり、大きな写真を飾ってある。毎朝、起きると、仏壇に手を合わせ、ゴンの好物だった氷と水を供えるという。

「つらかった時、ネットで高齢女性がペットロスを苦にして後追い自殺したニュースを目にしました。正直、その気持ちが分かる。それでも何とかしのげたのは、ゴルフ仲間が自分のことを気にかけてくれ、外に誘い出してくれたから。趣味もなく、仲間がいなかったら、どうなっていたか。半年が過ぎたくらいから突然の号泣がなくなり、回復してきたけど、まだゴンが亡くなる前の状態ではないね」

つらさを解消。新しいペットを飼うは4割

 INUNAVIが愛犬を見送った経験のある325人を対象に「ペットロス」に関するアンケートを行っている。それによると、ペットロスが「ない」はわずか9.8%で、9割超がペットロスの経験者だ。ペットを飼う人にとって、他人事ではない状況がうかがえるだろう。

 愛犬を亡くした直後は喪失感に襲われ、大阪の男性と同じように後悔が込み上げたというコメントが寄せられている。「もっと一緒に遊んであげればよかった。もっと散歩にたくさん連れていってあげればよかった」(30代女性)、「自宅に戻った時、いつも喜んで迎えにきた姿がない。一緒に寝ていたぬくもりが消えてしまった」(50代女性)といった具合だ。

 ペットを亡くしたつらさは、新しいペットで乗り越える。そう考えて、犬や猫を改めて飼い始める人もいる。が、アンケートで「飼っている」は37.5%で、「飼っていない」が圧倒的だ。大阪の男性もそうで、「もうつらい思いはしたくない」が主な理由。「とてもヤキモチ焼きな子だったのでほかの子をお迎えすることを嫌がるようで」(20代女性)と今は亡き愛犬を気にする人も珍しくない。

 では、つらいペットロス症候群をどうやって乗り越えるか。明陵クリニック院長の吉竹弘行氏が言う。

「ペットロス症候群が悪化して塞ぎ込んで、抑うつ状態になるのが一番よくありません。そうなると外出もままならなくなりますから、心療内科などを受診するのが無難。受診が難しければ、往診を依頼するといい。治療は軽い抗不安薬で気持ちを落ち着かせることが主眼です。そこまでに至らなければ、散歩などで適度に体を動かしたり、友人と会話したりして気を紛らわせることが大切でしょう」

犬も猫も飼い主への感謝で死に際を見せず

 俳優菅田将暉が主演のドラマ「ミステリと言う勿れ」は、同じタイトルのマンガが原作。その第1話には、ペットロスのシーンが描かれる。

 絶えず看病していた猫が、ふと目を離した隙に亡くなったことからペットロスになった女性に、主人公が語り掛けるシーンだ。

「猫は、風呂光さんのことが大好きだから、(死に際を)見せたくなかったんです(中略)それは、猫の、矜持と思いやりです」

 猫も飼い主に好意を示すからこそ、死に際を見せないのだという。これと同じことが犬にもあるようだ。大阪の男性が振り返る。

「ベランダには、ザブトンが敷いてあって、ゴンが日なたぼっこする場所でした。亡くなる直前、私の膝から下りて、そこに行こうとした。それで、新聞を読んでいたら『くーん』と鳴いた。ベランダに出てゴンを見ると、亡くなっていたんです。決して苦しんだ声じゃない。優しい感じだった。今思えば、『ありがとう』と別れの言葉だったのかなぁ」

 その鳴き声が、「ゴンの感謝の気持ちだった」と解釈できるようになったのは死後半年ほど経ってから。ゴルフ仲間の支えに加え、そう思えたことが回復を後押ししたという。

 ペットフード協会によると、2021年の新規飼育数は犬が39万7000匹、猫が48万9000匹だ。犬猫ともにコロナ前を上回っている。何げなく飼い始めた人も、ペットロスのつらさは覚悟しておいた方がいいかもしれない。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

最新のライフ記事

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    プーチン大統領の最側近で軍参謀総長「行方不明」報道の不気味…粛清かケガ療養か

    プーチン大統領の最側近で軍参謀総長「行方不明」報道の不気味…粛清かケガ療養か

  2. 2
    あの国営放送が“プーチン戦争”批判を展開!ロシアでいま起こっていること

    あの国営放送が“プーチン戦争”批判を展開!ロシアでいま起こっていること

  3. 3
    プーチン大統領哀れ四面楚歌…北欧2カ国NATO加盟に余裕の笑みも軍事同盟国が“仲間割れ”

    プーチン大統領哀れ四面楚歌…北欧2カ国NATO加盟に余裕の笑みも軍事同盟国が“仲間割れ”

  4. 4
    チケット大量カラ予約で注目…日本体操界が直面する内村航平と村上茉愛の大き過ぎる穴

    チケット大量カラ予約で注目…日本体操界が直面する内村航平と村上茉愛の大き過ぎる穴

  5. 5
    ウッズの全米プロ“下見ラウンド”にツアー仲間から批判の声 クラブプロ帯同しコース情報入手

    ウッズの全米プロ“下見ラウンド”にツアー仲間から批判の声 クラブプロ帯同しコース情報入手

もっと見る

  1. 6
    巨人4番・岡本和が21打席連続無安打…大不振に「2つの要因」元師匠・内田順三氏が指摘

    巨人4番・岡本和が21打席連続無安打…大不振に「2つの要因」元師匠・内田順三氏が指摘

  2. 7
    綾瀬はるかと木村拓哉は惨敗か…ドラマに必要なのは「この先どうなるか」の期待感

    綾瀬はるかと木村拓哉は惨敗か…ドラマに必要なのは「この先どうなるか」の期待感

  3. 8
    日本ハム野村佑希が顔面死球で流血退場してもアッサリ 新庄監督の怖いくらいの“シビアな目”

    日本ハム野村佑希が顔面死球で流血退場してもアッサリ 新庄監督の怖いくらいの“シビアな目”

  4. 9
    華原朋美「男を見る目」だけは涵養されず…離婚ほぼ一直線で歌手活動にまた支障

    華原朋美「男を見る目」だけは涵養されず…離婚ほぼ一直線で歌手活動にまた支障

  5. 10
    山下智久「正直不動産」が絶好調! その裏に透ける不動産業界の“不正直事件”

    山下智久「正直不動産」が絶好調! その裏に透ける不動産業界の“不正直事件”