技術少年出版 吉崎武社長(4)エエエッ!! 西和彦さんから月刊アスキー編集長のスカウト
1956年生まれの吉崎さんが大学に入学した75年は、アメリカでブームになっていたマイコンが日本でも一部の学者や技術者、最新技術に敏感な若者たちの間で注目を集めはじめた頃と重なる。高校時代にアマチュア無線に夢中になっていた吉崎さんもまた、大学に入るとマイコンにのめり込むことになる。
当時、新宿御苑と秋葉原に店を構えていたアスター・インターナショナルは、マイコン世代であれば誰もが知っている有名店。最初は客として通っていた吉崎さんは、ほどなく同店のアルバイトとして働くようになる。
「アスターは、もとはリース切れのバカでかいコピー機とかを売っている店だったんですけど、リース切れのコンピューターや周辺機器、訳の分からないジャンク(がらくた)を置いたら、『そっちのほうが儲かるぞ』ということになって、次第にマイコンショップのようになった店です。何百円、何千円のジャンクを転がしておくと、砂糖にたかるアリみたいに、マイコン好きの学生たちがやってきたものです」