(48)就労時間「週28時間」超えに悩み「朝日奨学会」に相談…担当者は冷淡な対応に終始
2020年7月に朝日新聞の新聞奨学生として来日し、日本語学校に通いながら都内の新聞販売所で働き始めたキエット君(21)には悩みがあった。就労時間が、留学生に認められる「週28時間」を大幅に超えているのだ。仕事が1日9時間にも及ぶ日さえあった。
そこで彼は、ベトナム人奨学生を採用し販売所に斡旋している「朝日奨学会」の担当者に相談してみることにした。同奨学会は専務理事を朝日新聞出身者が務め、東京事務局長も同社から出向している。実質、朝日の傘下組織だ。
キエット君が担当者とベトナム語で交わしたメッセージのやりとりが、彼のスマホに残っている。それを見ると、担当者はまずこうアドバイスを送っている。
<(同じ販売所の先輩ベトナム人奨学生)○○さんから販売所に(就労時間が減るよう)話してもらってはどうですか?>
すでにキエット君は先輩奨学生に相談していたが、先輩は頼りにならなかった。先輩は販売所とモメたくなかったのである。
そのことをキエット君が伝えると、担当者はこんな提案をする。