髙橋裕樹
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髙橋裕樹弁護士

「すべては依頼者の笑顔のために」がモットー。3000件を超す法律相談実績を持ち、相続や離婚といった身近な法律問題から刑事事件、企業法務まで何でもこなすオールマイティーな“戦う弁護士”。裁判員裁判4連続無罪の偉業を成し遂げた実績を持つ。アトム市川船橋法律事務所。

人間がペットを虐待しても実刑にならず…それは法律上の「物」だから?

公開日: 更新日:

 先日、京都地裁において、ペットを虐待したとして動物愛護法違反の罪で起訴された男性(42)の判決公判がありました。事件の内容は、男性が、ペットショップで購入したばかりの飼い猫の爪や舌を切断し、胸腹部を圧迫するなどして外傷性ショックなどで死なせたほか、別の飼い猫のひげをたばこの火で燃やしたり、しっぽをつかんで振り回したりするなどしてケガをさせたというものです。裁判官は懲役1年6月、保護観察付き執行猶予3年の判決を言い渡しました。

 事件の内容からすれば執行猶予付きの判決は軽すぎると思う方も少なくないはずです。しかしながら、ペットを虐待した者の罪は、これでも以前と比べ重くなっているのです。

 犬や猫などのペットは、原則として、法律上「物」として解釈されており、刑法上は、ペットが第三者に負傷させられたり、死なせられたりしても、あくまで飼い主の「物」を壊されたとして器物損壊罪(3年以下の懲役または30万円以下の罰金もしくは科料)が成立するにとどまります。民事上の賠償責任も、第三者によってペットを傷つけられても慰謝料は原則として発生せず、賠償額はせいぜい治療費とそれに付随する費用のみです。殺されてしまっても慰謝料の額は数万円から70万円程度となっています。

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