現役農家たちが農家になりたい人を助ける…熊本の農園に年間200人が集まってくる理由
九州エコファーマーズセンター 木之内均さん(熊本県合志市)
ここ10年で毎年約5万人が農業に就いている。そのうち49歳以下は毎年約2万人。積極的な受け入れを行っているのが「公益社団法人日本農業法人協会」だ。
加盟法人は約2000社。注目の団体の一つに熊本県合志市栄の「NPO法人九州エコファーマーズセンター」がある。四十数軒の農家が会員。NPOは3人にサポートメンバー2人の体制。これまで研修を含め1260人を受け入れ、独立は143人。農業法人の雇用就農は112人の実績がある。2003年11月発足。農業法人「木之内農園」(村上進社長)を中心に農家7軒で設立された。
「木之内農園」はイチゴ観光農園、加工、販売所、通販などを手掛ける。創業者で現・会長の木之内均さん(61)は東海大学教授。大学連携で学生のインターンシップの受け入れも行っている。
「現役農業者が新規就農者を育てていこうと農業者が立ち上がった」とは事務局長・吉村孫徳さん。吉村さん自身も東京から「木之内農園」に参加した一人。
「年間200人近くきています。10代から40代、50過ぎの方まで。東京、大阪も含めて九州各県からもお見えになります。東京農業大学、農業高校からも参加があります」(吉村さん)
農業実習は国のインターンシップ制度がある。学生・社会人が全国に約200ある農業法人などで短期間(2日以上6週間以内)体験できるもの。日本農業法人協会で1999年度から農林水産省の補助事業として運営(受託)しているもの。無料で参加できる。
NPOの会員が、観光農園、果樹、畜産、有機農業など、さまざまな農業をしていることから、インターンシップではいくつかの農業経営を見てもらい、新規就農者から直接、独立から販売までの話を聞くこともできる。