「北海道ボールパークFビレッジ」に潜入! 日本ハム新球場を併設した巨大複合施設
今月30日に開幕するプロ野球で、注目は日本ハムファイターズの新しい本拠地「エスコンフィールドHOKKAIDO」だ。温泉やサウナ、ホテル、クラフトビール醸造レストラン、キャンプ場などを備えた巨大複合施設「北海道ボールパークFビレッジ」の中心にあり、全国から多くの観光客を呼び込む構えだ。
■北海道北広島市
「エスコンフィールドHOKKAIDO」は左右非対称の形状で、収容人数は3万5000人。開閉式の屋根が付いているのは「福岡PayPayドーム」と同じだが、天然芝の球場となると日本初だ。
センターバックスクリーンには、クラフトビール醸造レストラン「そらとしば by よなよなエール」がある。フィールドを一望できるルーフトップバーがある球場は世界で初めてだ。店内醸造の「そらとしば Play Ball! Ale」「そらとしば Big-Fly Saison」のほか、期間限定のオリジナルビールを販売。年中無休で営業しているので、試合がない日もビールと食事を楽しむことができる。
レフトスタンド側の5階層のビルは、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)でも活躍したダルビッシュ有と大谷翔平が日ハム時代につけていた背番号にちなんで「TOWER 11」。こちらにも世界初がある。それが球場内の温泉とサウナ。浴室やサウナ室から試合を眺めることができるほか、水着着用ゾーンにはフィールドを見下ろす「ととのえテラスシート」(指定席)が用意されている。
アジアで初めてとなる球場一体型ホテルも併設されていて、室内やバルコニーから試合を見られる。宿泊客は球場内で最も高いテラスデッキからの観戦も可能だ。
スタジアムをぐるりと囲むコンコースには「ピザーラエクスプレス」「モスバーガー」「築地銀だこ」など、お馴染みのチェーン店がずらり。三塁側には全国各地の名店があつまる「七つ星横丁」があり、旭川の老舗寿司店「天金」や札幌の焼き肉店「焼肉と韓国料理 羅山」といった道内の人気店もオープン。グループ観戦用の「七つ星横丁シート」を購入すれば、飲んで食べて語らいながら野球観戦ができる。
試合がない日は、ファイターズガールによる「スタジアムツアー」が開催され、「大教室プロフェッサー栗山英樹」と名付けられたミーティングルームや監督室など普段は見られない裏側を見学できる。
球場の外にもショッピング施設やヴィラ、グランピング施設があり、野球に興味がない人もゆっくりと楽しい時間を過ごすことができる仕組み。上野正三・北広島市長は「空港がある千歳と札幌の間にあり、“通りすがりのまち”と呼ばれた北広島市だが、これからは目指して来ていただける」と期待を寄せている。
(住)北広島市Fビレッジ
日本最北の不凍湖「支笏湖」の秘湯
■北海道千歳市
支笏湖はアイヌの言葉で「大きなくぼ地」を意味する「シ・コッ」が語源とされ、4万年前の火山活動によって生まれたそうだ。水深363メートルで、その深さゆえにめったに凍ることがない。水は澄んでいて美しく、周辺には手付かずの自然が残る。
その湖畔にある秘湯が「丸駒温泉」だ。1915(大正4)年、対岸から舟で渡った創業者が木々を拾い集めて小屋を建てたのが始まりという。天然の露天風呂は全国でも20カ所だけという足元湧出湯で、浴場は岩場で湖と隔てられているが、その水位は季節に応じて変化する湖面の高さと同じになる。湖を見下ろす位置には展望露天風呂もあり、早朝には朝日を浴びながら入ることができる。
昨年末にはサウナ施設を本格的フィンランド式にリニューアル、貸し切りのバレルサウナ付き温泉も誕生。家族連れやカップルに人気だ。
(住)千歳市幌美内7番地
(℡)0123.25.2341
支笏湖東岸には5軒の温泉宿が集まる支笏湖温泉があり、丸駒温泉とは異なる泉質の湯を楽しめる。
そのひとつの休暇村支笏湖は全38室の落ち着いた宿。温泉の湯はとろりとしていて、皮膚の表面を柔らかくして脂肪を洗い流す成分を含んでいるという。カニ、ウニ、イクラ、ホタテといった北海道の食材を使った四季折々の料理もおいしい。
(住)千歳市支笏湖温泉
(℡)0123.25.2201
工場見学で改めて実感するビールのうまさ
ビールラバーにオススメは、千歳駅からクルマで10分ほどの「キリンビール北海道千歳工場」。工場見学の「キリン一番搾りおいしさ実感ツアー」(要予約)に参加すれば、改めてビールが好きになるだろう。
乾燥させた麦芽を試食すれば、それだけでもうまいし、ホップを手で割ると、すっと鼻に抜ける清冽な香りに驚かされる。発酵する前の麦汁の味も体験できて面白い。最後には、おいしい生ビールを提供する知識と技術を習得した「ブルワリードラフトマスター」が提供する3種類の「一番搾り」を試飲。普段から飲んでいるビールなのに、ゆっくりと口に含むと、また違うおいしさに気づくから不思議だ。所要時間は90分で参加費は500円。
(住)千歳市上長都949-1
(℡)0123.24.5606
実物大の迫力あるマンモス
廃校になった小学校を使った広葉交流センター「いこ~よ」内にある「エコミュージアムセンター知新の駅」には、実物大のマンモスの模型が飾られている。学芸員の畠誠さんが地元の子どもたちと協力して作ったもので、高さは3メートルとなかなかの迫力。4万5000年前、北広島にはケナガマンモスゾウとナウマンゾウが共存していたそうで、臼歯の化石も見つかっている。
こちらでは北広島市にゆかりの3人も紹介。103人の広島県人を入植させた和田郁次郎、北海道に米づくりを広めて「寒地稲作の祖」といわれた中山久蔵、そして札幌農学校(現北海道大学)の初代教頭を務めたクラーク博士だ。「ボーイズ ビー アンビシャス」は市内にある旧島松駅逓所の近くで教え子たちに向けて発したとされる。
(住)北広島市広葉町3-1 北広島市広葉交流センター内
(℡)011.373.0188