これが「全国の富裕層が住む街ランキング」だ! 東京都港区に負けないセレブな村も
東京都港区が来年度以降の区立中学の修学旅行先をシンガポール3泊5日にすることを公表したことで、「さすがにお金持ちすぎる」と庶民たちをザワつかせている。港区は青山や表参道、麻布、白金台、高輪といったセレブなエリアが密集しており、区民の平均所得は1471万円。同じ東京23区でも最下位足立区の4.0倍もあり、格差は広がる一方だ。
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シンガポールへの修学旅行は区立中学に通う約760人が対象。投じる予算は約5億1300万円で、東京都の自治体で海外への修学旅行は初めてとなる。SNS上には「格差社会はもはや後戻りできない」「どんだけ貴族の集まりなんだ」といった嫉妬まじりの声が充満している。
もっとも、港区内にある私立中の中にはイギリスやハワイへ修学(研修)旅行を行うところもあるので、一概にシンガポールが贅沢とは言えない面もある。また、今回は公立中の生徒が対象となるが、「それでも進学先を私立から公立に変更する決め手にはならない」(お受験を控える港区住民)という本音も透けて見える。港区の14歳人口は1989人(8月時点)で、うち公立中に通っている生徒は約760人のため、実に6割超が進学先に私立中を選んでいるのだ。
もちろん、今から引っ越せば来年の修学旅行に間に合うが、港区内の2LDK~3DKの家賃相場は39.06万円と高額(アパマンショップ調べ)。毎月の家賃を抑えた方が修学旅行以上のお金を貯められるだろう。
その港区だが、総務省の公表データによると、区民の平均課税対象所得は1471万円(2022年)。東京都の2位は千代田区の1076万円、4位が渋谷区の1000万円なので、都内でも屈指の富裕層が住むエリアとなる。なにしろ、港区は「犬も歩けば社長に当たる」と言われるほど社長だらけ。社長は街のパン屋さんから1部上場企業までさまざまだが、東京商工リサーチによれば、港区在住の社長は3万6087人で、人口約26.5万人に対する比率は13.8%もある(2021年)。住民の7人に1人が社長なのだ。当然ながら他の住民も「社長夫人」や「社長の子息」で固められている。
誤解のないよう補足しておくが、「所得」とは収入から給与所得控除や社会保険料など各種控除を引いた税金がかかる金額のこと。一般的にいう「年収」はこれよりずっと多い。会社員なら所得700万~800万円で、年収は1000万円ほどだ。ちなみに、港区の平均所得は前年の1184万円から287万円の大きな伸びを記録。不動産収入や株主配当が増えたことも一因だ。