岸田政権「原発3倍」にあっさり賛同の無責任…福島は復興道半ば、賛否拮抗をガン無視

公開日: 更新日:

原発3倍」に賛同──。UAEのドバイで開かれているCOP28(国連気候変動会議)に合わせ、世界全体の「原発の発電能力」を2050年までに3倍に増やすとの宣言が2日、発表され、日本も賛同してしまった。他に、米、カナダ、英、仏、韓国、ウクライナなど22カ国が名を連ねた。

 COP28では世界の「再生可能エネルギー」を30年までに3倍に引き上げる目標も掲げられ、こちらは日本を含む118カ国が賛同している。それと比べれば、「原発3倍」の22カ国は少数だ。ここに日本が加わった格好だ。

 NPO法人「原子力資料情報室」事務局長の松久保肇氏が言う。

「賛同した日本以外の21カ国は、もともと原発を推進している国で目新しさはありません。日本は福島原発事故からの復興は道半ば。廃炉のメドも立たず、政府が発令した『原子力緊急事態宣言』もいまだ解除されていません。また、世論調査では原発の賛否は拮抗しており、原発政策をどうするのかは議論の途上と言えます。そういう国内事情がありながら、どうして『原発3倍』にあっさり賛同してしまったのか。あまりにも無責任です」

 岸田政権は21年10月に閣議決定した「エネルギー基本計画」で「原発への依存度を可能な限り低減する」と明記。ところが、今年5月成立のGX脱炭素電源法で既存原発の60年超運転を可能にし、次世代原発のリプレース(建て替え)も進める方針を示した。“原発回帰”である。

■関連キーワード

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    上白石萌音・萌歌姉妹が鹿児島から上京して高校受験した実践学園の偏差値 大学はそれぞれ別へ

  2. 2

    大谷 28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」とは?

  3. 3

    学力偏差値とは別? 東京理科大が「MARCH」ではなく「早慶上智」グループに括られるワケ

  4. 4

    ドジャース大谷の投手復帰またまた先送り…ローテ右腕がIL入り、いよいよ打線から外せなくなった

  5. 5

    よく聞かれる「中学野球は硬式と軟式のどちらがいい?」に僕の見解は…

  1. 6

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?

  2. 7

    進次郎農相の「500%」発言で抗議殺到、ついに声明文…“元凶”にされたコメ卸「木徳神糧」の困惑

  3. 8

    長嶋茂雄さんが立大時代の一茂氏にブチ切れた珍エピソード「なんだこれは。学生の分際で」

  4. 9

    (3)アニマル長嶋のホームスチール事件が広岡達朗「バッドぶん投げ&職務放棄」を引き起こした

  5. 10

    米スーパータワマンの構造的欠陥で新たな訴訟…開発グループ株20%を持つ三井物産が受ける余波