不謹慎にもほどがある!「京都大学ボヘミアン」の泣ける笑える青春…話題ドラマ「ふてほど」と同時代

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「常識」に縛られている大人への反論

エピソード3)フナムシを食って飢えをしのぐ

 その西ノ島の浜に3本の小川が流れていた。メンバーたちは当然のように「S川、E川、X川」と名付けた。昼間は魚や貝の食料確保が先決。浜の石にガサゴソと這いまわるゴキブリに似た甲殻類がいた。フナムシだ。胴体は殻で食べられそうにないが、半透明の腹はゼラチン質で、食べてみたら味は塩気も利いて悪くなかったという。

釣りは、九州男児のクマや島根の漁村育ちのヤマネ、セージがうまかった。サバイバルを通じて気づいたのは、最終的に人間は食料を確保できる者が強く、ヒエラルキーの上位に位置するということです。論理性とか知性とかは、関係ありません」(フジー氏)

エピソード4)恥をかくために開催される「ボヘマラソン

 木枯らしが吹く晩秋の季節になると、野宿ができなくなったボヘたちは暇になる。そこで思いつきで誕生したのが、12月開催のボヘマラソンだった。京都の街を20キロ走り回り、女性に声をかけて鴨川で記念撮影できれば晴れてゴールとなる。

「繁華街では、『ウッホ』という言葉しか発してはいけないというルールがありました。マクドナルドに入店すると、女性店員はギョッと目をむいた。半裸のシオモトが手元のメニューを指し『ウッホ』とハンバーガーを注文し、『ごいっしょにポテトはいかがですか?』と聞く店員に『ウッホ』と返す。今なら確実に通報されるレベルですが、京都の街の人は『学生さんのしはることだから』とおおらかでした。最初は気味悪がられましたが、おなじのが3人、4人とつづくと女性店員も笑いはじめ、店の前の人だかりに失笑(こらえ切れず大笑いすること)が広がっていきました」(フジー氏)

 何が正しいのか、ということではない。「常識」というルールに縛られている大人への反論でもあるのだろう。

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