北新地のクラブ街の端にたたずむ「天平」の絶品一口餃子…どの客も数十個単位でペロリ

公開日: 更新日:

昔と全く変わらぬ味に大感激

 その天平に今回は20年ぶりの再訪。北新地のクラブ街の端にたたずむ名店である。おしろいの匂いが漂うにはまだ早い夕方5時。口開けと同時に飛び込んだ。

 店内は右側に8人ほどのカウンターと4人掛けテーブルが2つ。アタシはカウンター奥に陣取る。すると、こちらが注文する前に親方が「20個とビール、お通しのお新香で2200円です」。お品書きに値段は書いていない。「それでお願いします」。しばしスーパードライの中瓶をお新香をつまみにちびりとやっていると、来ました来ました餃子20個! 人目もはばからずにがっつく還暦男。一度に3個むしり取ってバクリ! 香ばしい焦げ目を噛みしめる。昔と全く変わらぬ味に大感激。そこへキンキンのビールをぐびり。サイコ~。

 気が付けば店内は満席。若い男女から会社帰りのグループ。新幹線の時間を気にする出張族。そして同伴カップル。カウンター内では休みなしで焼き続ける親方と奥の厨房で餃子を包むスタッフ。初めて来た35年前と変わらない風景だ。

 が、きっとそれは昭和30年の創業から変わらないのではないか。そして変わらないものがもうひとつ。入り口横のカウンター、一番手前にいるお勘定係のお姐さん。野球帽にジーパンというそのスタイルも変わらない。まるで店と同化して70年前の創業時からそこにいたかのよう。昔は怖そうでできなかったが、今回初めて話し掛けた。

「20年ぶりに食べました。昔と変わらずうまかったです」

「それはそれは。おおきに」

 野球帽の下から優しそうな目でほほ笑んでくれた。時代は変われど変わらぬもの。いや、変えてはいけないもの。大事だね。 (藤井優)

○天平北新地本店 大阪市北区曽根崎新地1-8-12

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