羽曳野市立中央図書館(大阪府)古墳のまちの半地下に根ざす知の拠点

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 大阪府の南東部に位置する羽曳野市は、古墳時代の面影を今に伝える歴史のまちだ。市内には2019年に世界文化遺産に登録された「百舌鳥・古市古墳群」が点在し、日本最大の体積を誇るといわれる「応神天皇陵古墳」や日本武尊伝説を伝える「白鳥陵古墳」など古代の王権をしのばせる壮大な景観が広がる。

 一方で、古くからぶどうの産地として脚光を浴び、昭和初期には全国に先駆けてワインの醸造を行うなど、果樹栽培と発酵文化にも独自の歩みを刻んできた。メジャー球団・パドレスで活躍するダルビッシュ有は同市の出身で、「はびきの応援大使」を務めていることでも知られる。

 そんな羽曳野市の知の拠点が、複合施設「LICはびきの」の地下1階に位置する羽曳野市立中央図書館だ。

 扇を広げたような緩やかな弧を描く建物は、敷地の高低差を生かした掘り込み構造となっており、北側の外周には大きな窓が設けられている。地下にありながら自然光が差し込む、明るく開放的な空間。遮音性や温度の安定といった機能的利点に加え、地中に包まれるような落ち着きが得られるのも魅力のひとつだ。

「地下のメリットはそれだけではありません」と、館長の藤井逸郎さんがこう話す。

「80台を収容できる第1駐車場は地下に設置されており、雨の日でもまったく濡れることがありません。施設は全面バリアフリーのため駐車場から階段の上り下りもなく、そのまま館内へスムーズに入っていただけます。また、日差しが限定されることで紫外線による本の劣化も抑えられ、蔵書の保存環境としても優れております」

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