ロンパル(大阪・大正)1日200個完売。大人気ハニードーナツ考案した母の工夫
食材費が上がり続け、飲食店にとっては厳しい時代だが、苦しい時を乗り越えて生き抜く老舗も少なくない。そんな名店には、時代の荒波に打ち勝つヒントがあるはずだ。創業50年を迎えた本紙と“同い年”くらいの50年飲食店の店主に愛される味の秘訣を聞いた。
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日刊ゲンダイよりちょっぴり年上の創業54年。店長の墫範敏さん(60)が6歳時の1971年、父親が当時としては斬新なスタイルのホームベーカリー店を開いた。
「祖父が学校給食に提供するパン屋をやってた。でもコメ余りの影響で給食にコメが出るようになり、おまけに少子化でしょ。給食パンでは儲からんと考えたんでしょうね」
これが大ヒット。大阪・大正区内の商店街に4店舗を構えるほど繁盛したものの、再び時代の荒波にもまれる。商店街の衰退、従業員の高齢化、そしてコンビニの出店ラッシュ。1店舗となった現在は3代目の墫さんが店を守っている。
名物は創業時から大人気のハニードーナツ(1個140円)。小麦粉はグルテンの弱い品種を主力に、強い品種と米粉、イーストを混ぜて1時間寝かせる。膨らんだ生地を練って延ばし、型抜きしたドーナツを170度のキャノーラ油で揚げる。


















