加藤ローサの「同居離婚」に見るリアルな落とし穴。一般夫婦の“新しい形”にするのは危険なわけ

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コクハク

加藤ローサさんが「同居離婚」を発表

【解消されない夫婦のモヤモヤ】

 先日とあるテレビ番組で加藤ローサさんが「同居離婚」をしたと発表していて驚きました。

 そういえば、長らくテレビや雑誌で見かけることがなかったなぁと思ったら、パートナーの元サッカー選手とともに海外で暮らしていたそうです。実質、結婚を機に引退のような状態になっていたのでしょう。

 彼女のように表舞台で活躍していた女性が、夫をサポートするために自分のキャリアを手放すというのは、きっと悔しい気持ちもあったはず。子育てが少し落ち着いたタイミングで「これからは自分の人生を生きたい」と思ったのでは? と想像します。

 また、二人のお子さんがいるそうですが、一緒に住みながら籍を抜くという選択をしたとのこと。番組には元夫もVTRで登場していて、関係が悪くないのは想像できます。

 ただ、離婚理由は語られなかったため、SNSではさまざまな憶測が飛び交っていました。

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新しい夫婦像になるか?

 内閣府による「男女共同参画白書 令和4年版」によると、離婚理由のトップは「性格の不一致」。

 DVや借金といった明確な理由もありますが、実は多くの夫婦が日々の小さなすれ違いを積み重ね、その延長線上で離婚に至っています。

「どこにでもある不満」が、何かきっかけで”離婚”の決定打になるのは怖いですね。

子どもに負担をかけず、うまく距離をとりながら関係をリセットする”、そんな新しい夫婦像を思い起こさせるのが同居離婚です。

 働く女性が増えている現実と、離婚すると多くの場合親権が女性になり、子どもの養育のほとんどを担うケースが多いことを考えると、負担を減らしながら「緩やかに離婚」できるのは魅力です。

同居離婚の魅力と現実

 一方で、「家事も育児もやりたくないときはやらない」なんて都合の良い話がいつまでも通用するわけではありません。

 多くの家庭では夫が生活費を負担している現状を考えると、夫から「離婚したんだから生活費は折半で」と言われる可能性は十分あります。

 そうなってくると、同居離婚に対して少しハードルが高くなる女性もいるのではないでしょうか。

男性にとっては都合が悪い同居離婚

 同居離婚は女性にとってもハードルの高い選択ですが、実は男性にとっても大きな負担になります。これまで当たり前のように受けていたサポートがなくなり、「今までの日常」が一変してしまうからです。

 デメリットの方が目立つのでは? と思うと、気になるのは“どうやって夫を納得させるのか”。

「これまでと何も変わらないよ、ただ紙の問題だから」と言いながら、実際は少しずつ距離を広げていく――そんな展開になるのかもしれません。

 子育てが終わったタイミングで別居するための“第一歩”だと考えれば、確かに合理的。ただ、男性から見れば「それって騙し討ちじゃない?」と感じるかもしれません。

一般家庭には通用しない現実

 離婚したい女性にとって「同居離婚」は魅力的に映りますが、加藤ローサさんのように40歳でも美しく、芸能界で今も自力で稼げる土台があるからこそ選べる選択肢です。

 生活費の多くを夫に頼りながら「家事や育児はもう義務じゃない」と言うのは、一般家庭では通用しにくい。

 むしろ夫から「だったら生活費は半分出して」と突き返されるのがオチでしょう。

「お互いに経済的にも精神的にも自立していること」が大前提。そこを見誤って憧れだけで飛びつけば、女性にとっても男性にとっても不満だらけの中途半端な関係にしかならないでしょう。

(豆木メイ/フリーライター)

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