「子どもの便秘」親が知っておくべきこと(上)便を出しにくいおしりの構造が原因
子どもの便秘は大人と違って、早めに対処しないと「便秘の悪循環」に陥りやすいという。親として知っておくべきことは? 小児2000人以上の便秘を治療してきた国立病院機構久里浜医療センター内視鏡部長の水上健医師に話を聞いた。
「子どもの便秘は大人とは別物です。便秘の原因となる“場所”が異なるのです」(水上医師=以下同)
便秘には、腸(直腸以外の大腸)が原因のものと、おしり(直腸や肛門)が原因のものとがある。小さい子どもの便秘の多くはおしりに原因があるという。
「子どもの便秘は0~3歳で起こることが多く、4歳を越えると減るのですが、こういった小さい子どもの場合、私の外来を受診した子どもの9割以上がおしりに原因がある便秘です。『便を出しにくいおしりの構造』をしており、肛門が詰まって便が出にくくなるのです。出しにくいがために直腸に便がたまる。これを直腸型便秘と呼びます」
直腸型便秘では、便が大きな塊となり出しにくくなるので、排便時に痛みが生じる。子どもは排便を我慢するようになり、それが続くと直腸のセンサーが鈍くなって便が直腸に到達しても便意を催さず、さらに直腸内に便がたまってしまうようになる。