正捕手・甲斐拓也の骨折離脱はかえって巨人に「追い風」が吹く根拠
「巨人、正念場」「今季絶望的」「手痛い離脱」──。23日のDeNA戦でのクロスプレーで右手中指を負傷した甲斐拓也(32)の骨折が判明すると、メディアには悲観的な言葉が並んだ。
16日には5月に左肘靱帯損傷の大けがをした主砲の岡本和真が102日ぶりに一軍復帰し、22日には腰痛で戦列を離れていた吉川尚輝も約1カ月ぶりに一軍へ戻ってきた。13ゲーム差で首位を行く阪神猛追はともかく、2位死守に向けてようやく陣容が整ったと思った矢先、今度は正捕手のアクシデントだ。
阿部慎之助監督は「チームにとっても痛いけど……やるしかない」と声を沈ませたが、他球団スコアラーはこう言った。
「骨折は気の毒ですが、戦う側からすれば、甲斐より岸田(行倫)がマスクをかぶった方が手ごわいのは確かです。甲斐の先発出場はここまで、チームトップの64試合。FAで獲得したこともあり、阿部監督が優先起用してきた。リーグトップの守備率.998(失策1)は立派ですが、その他のデータでは岸田に大きく後れを取っている。例えば盗塁阻止率は甲斐の.243に対して、岸田は驚異の.524。被本塁打数もリーグワースト2位の45本を許している甲斐に対し、岸田は23本。先発出場数が岸田は41試合と少ないとはいえ、甲斐の持ち味である強気なリードがかえって、配球を絞りやすいというデメリットにもなっていました」