著者のコラム一覧
青島周一勤務薬剤師/「薬剤師のジャーナルクラブ」共同主宰

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

扇風機だけで真夏を過ごすことは危険? 水分補給がカギ

公開日: 更新日:

 熱中症による死亡者の特徴として、室内にエアコンが設置されておらず、扇風機のみで生活している環境を挙げることができます。室内の温度が極端に高い状態で扇風機を使用すると、熱を帯びた空気が送風され、熱中症のリスクが高まる可能性もあります。

 そのような中、扇風機の使用と体温や熱暑感(暑いと感じる感覚)の関連性を検討した研究論文が、米国医師会が発行しているオープンアクセスジャーナルに2025年8月13日付で掲載されました。

 オーストラリアで行われたこの研究では、健康な男女20人(平均28歳、女性10人)が対象となりました。被験者は温度39.2度、湿度49%の環境に設置された椅子に3時間にわたって座るように指示されました。被験者はまた、「水分補給と扇風機の使用」「水分補給のみ(扇風機を使用しない)」「扇風機の使用のみ(水分補給しない)」「水分補給をせず、扇風機も使用しない」という4つの実験環境にランダムに振り分けられ、体温や心拍数、熱暑感などが比較されました。

 その結果、「水分補給をせず、扇風機も使用しない」と比べて、「扇風機の使用のみ」では、1分間の心拍数が5拍上昇していました。つまり、水分補給をしない場合には、扇風機を使用することで心臓に負担がかかることを示唆しています。

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