入学を辞退しても入学金を払う「二重払い」の大学生が4分の1も…入試の多様化で頭の痛い問題に
近年は入試制度の多様化に伴い、入試の時期も長期化しているため、併願受験して合格した入学意志のある複数の大学に入学金を納付する受験生が増えている。そのため、入学辞退をした大学・学部の入学金も事前に支払いしているケースは多々ある。こうした返還されることのない入学金を二重支払いしている受験生が、4分の1近くを占めている。これまでは一般選抜の併願で合格した私立大学への二重払いより、第一志望の国公立大学に合格した場合等のケースが話題になっていた。
早稲田大が難関国立大受験生に併願校として選ばれた一因は、この入学金の二重払いをしなくても済む可能性があるから、といわれたことがある。私立大の中では主要試験の日程が最も遅く、学部によって入学手続きの締切日と国公立大前期の合格発表日がほぼ同じになることも多かった。三月上旬のある日、東京大学の合格発表に自分の名前がなかった受験生がすぐに早稲田大に行き、入学金を払って入学手続きをした、という話も聞く。
ところが、2025年入試から私立大どうしの併願でも入学金二重払いが問題視されるようになった。私立大における入試の多様化が進み、入学者の半数以上が年内入試となり、大学入試の様相が大きく変わったことが背景にある。