著者のコラム一覧
髙橋裕樹弁護士

「すべては依頼者の笑顔のために」がモットー。3000件を超す法律相談実績を持ち、相続や離婚といった身近な法律問題から刑事事件、企業法務まで何でもこなすオールマイティーな“戦う弁護士”。裁判員裁判4連続無罪の偉業を成し遂げた実績を持つ。アトム市川船橋法律事務所。

伊東市長は大騒動だが…一般人が経歴や資格を“盛った”場合、どこから罪になる?

公開日: 更新日:

 伊東市の田久保真紀市長をめぐり、大学「卒業」ではなく、実は「除籍」だったと報じられた問題は百条委員会での検証が続いています。政治の世界では虚偽事項の公表罪(公職選挙法235条)は問題になり得ますが、一般の人が就職や転職で経歴を“盛る”とどうなるのでしょうか。

 結論からいえば、単なる虚偽申告それ自体は直ちに犯罪とは限りません。しかし、虚偽申告をして相手を誤信させ手当の支給などを受ければ、詐欺罪が問題になります。必須資格を取得していると偽って入社し、資格手当を受け取るといった場合が典型例です。

 また書類の偽造に踏み込むと一気に刑事リスクが上がります。履歴書の自己PR欄を誇張して書いたような場合は文書偽造に当たる可能性は低いといえますが、卒業証明書や資格証明書の偽造・改ざんを行った場合には、有印私文書偽造・同行使罪に当たり得ます。画像編集で証明書を作る、PDFを改変するといった手口も同様です。

 “盛る”場合に限らず、例えば前科があるのに、申告しなかった場合はどうでしょうか。一般に、前科の有無を偽ること自体は直ちに犯罪ではありませんが、欠格事由がある業務、例えば、警備・運送業やそのほか免許が必要な職でそれを隠して就業し報酬を得れば、上記のように、詐欺や文書偽造の観点から問題となり得ます。さらに、欠格事由を隠して許認可や免許を取得した場合は、各種の業法違反や行政処分に問われる可能性があります。

■関連キーワード

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    福山雅治「フジ不適切会合」参加で掘り起こされた吉高由里子への“完全アウト”なセクハラ発言

  2. 2

    福山雅治「ラストマン」好調維持も懸案は“髪形”か…《さすがに老けた?》のからくり

  3. 3

    夏の甲子園V候補はなぜ早々と散ったのか...1年通じた過密日程 識者は「春季大会廃止」に言及

  4. 4

    参政党・神谷宗幣代表 にじむ旧統一教会への共鳴…「文化的マルクス主義」に強いこだわり

  5. 5

    【広陵OB】今秋ドラフト候補が女子中学生への性犯罪容疑で逮捕…プロ、アマ球界への小さくない波紋

  1. 6

    福山雅治、石橋貴明…フジ飲み会問題で匿名有力者が暴かれる中、注目される「スイートルームの会」“タレントU氏”は誰だ?

  2. 7

    広陵問題をSNSの弊害にすり替えやっぱり大炎上…高野連&朝日新聞の「おま言う」案件

  3. 8

    桑田真澄が「KKドラフト」3日後に早大受験で上京→土壇場で“翻意”の裏側

  4. 9

    参政党・神谷宗幣代表の「質問主意書」がヤバすぎる! トンデモ陰謀論どっぷり7項目に政府も困惑?

  5. 10

    「時代に挑んだ男」加納典明(38)同年代のライバル「篠山紀信と荒木経惟、どっちも俺は認めている」